よーだ育休中

鬼滅の刃のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

鬼滅の刃(2019年製作のアニメ)
5.0
人喰い鬼の跋扈する大正時代の日本。家族を殺され、唯一の生き残りである妹も鬼と化してしまった少年・竈門炭治郎の葛藤と成長を描く勧善懲悪人間ドラマ。

《流行り物》という理由だけで敬遠していました。遅めの夏休みでGO TOの予定もなく、無限列車の大ブームに釣られてアニメを一気見。どハマりしました。


ストーリーが凄い。日本人にも馴染み深い《鬼退治》をベースに、弱肉強食の世界を舞台に、ジャンプ漫画らしく友情・努力・勝利が描き出される。

《ワンピース》と違って敵=鬼は頸を刎ねて殺す。鬼も人を喰い散らかす。《ドラゴンボール》と違って死んだ人間は二度と生き返らない。

鬼滅の刃では、第一話のタイトル通り「残酷」な世界が描き出される。そんな命のやり取りが行われる中で、一介の炭焼き職人であった炭治郎が鬼狩りとして成長する姿と葛藤、兄弟愛と仲間の絆が胸を打つ。

鬼畜生に堕ちた者はお天道様の下を歩けない。今作で敵として登場する鬼は陽を浴びると焼けて灰になってしまう。そんな鬼も元々は人間であり、切ないドラマが描かれているのも魅力だった。


Fate、空の境界を手掛けたufotableの色彩鮮やかな背景美術と、立体的かつ疾走感溢れる戦闘シーンは心躍る。

特にアニメシリーズ最大の山場、十二鬼月・下弦の伍との戦闘において、禰豆子は無意識化での母との邂逅により習得した血鬼術・爆血を。炭治郎は走馬灯から亡き父の演舞・ヒノカミ神楽を。それぞれ披露して累を追い込むシーンはゾクゾクした。


原作漫画は正直絵のタッチがあまり好みでは無かったが、アニメ化作品はキャラクターが見易く、エフェクト・ビジュアル・音響のクオリティも高くてとても良かった。(回顧シーンがくどい部分はご愛敬。)


血がどばーっと出る部分について、僕くらいの年齢になれば何とも思わないですが、昨今の小学生は耐性が強いですね。