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鬼滅の刃のtetsuのレビュー・感想・評価

鬼滅の刃(2019年製作のアニメ)
4.0
2度目の劇場鑑賞に合わせて、完走。


[あらすじ]

大正時代、恐ろしい鬼が人間を喰らう世界。
妹・禰豆子を鬼にされてしまった青年・炭治郎が、彼女を救うため、鬼殺隊として戦う様を描く。(約20分×26話)


[感想]

序盤こそハマりきらなかったものの、映画が良かったため、鑑賞。

最近、「映画も、ドラマも、アニメも、たとえ序盤がつまらなくても、可能な限りは、とりあえず最後まで見てみる」というのが、作り手に対する最低限の敬意だと思うようになったので、序盤は苦戦しつつも見てみると、思いのほか良かった。笑

回を増すごとに増えていく魅力的なキャラクターや、各章における舞台設定(映画『CUBE』を思わせる和製仕掛け屋敷、死者が操られる森など)、1話約20分+1時間半~2時間弱で区切られた章立てと、かなり見易い構成も良かった。
(TVアニメシリーズを完走するのは、何気に10年ぶりぐらいだったりする。笑)

物語が進むにつれ、誠実でマジメで優しい主人公の魅力に惹かれていき、彼の振る舞いが周囲に影響を与えていくシリーズ終盤には、予想以上の気持ちよさがあった。
(そんな彼の姿には、マーベルシリーズのキャプテンアメリカにも通ずる潔さを感じたり。また、敵味方関係なく、他者への敬意を忘れない姿勢には、日本らしいヒーロー美学を感じた。)


[各章感想]
(章立ては『鬼滅の刃 煉獄零巻』を参照。)

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兄妹の絆
(第1話~第5話、TVスペシャル第1夜・映画『鬼滅の刃 兄妹の絆』)

ひたすら心の声が続く展開、修行シーンが多く、実践まで時間がかかるストーリーに若干の退屈さが……。
しかし、ハマっている友人の話も聞き、もう少しエピソードを追ってみることに。

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初任務編
(第6話~第10話)

ラスボスとの早すぎる遭遇や、鬼側なのに主人公の味方となる人物の登場、重要キャラの首が容赦なく吹っ飛ぶ展開などに、少しずつ惹かれていく。
また、スペシャルで序盤をイッキ見した後になると、20分区切りシステムの見易さにハマる。

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鼓屋敷編
(第11話~第14話)

メインキャラの仲間、金髪(我妻善逸)とイノシシ頭(嘴平伊之助)の登場で、物語が加速度的に面白くなる。映画『CUBE』『エスケープ・ルーム』のようなギミック屋敷の演出も面白く、かなり、入り込める。

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那田蜘蛛山編
(第15話~第21話、TVスペシャル第2夜『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編 』)

スペシャル版でイッキ見すると、しんどいほどに、かなりこってりした内容。女性キャラにも容赦のない展開や、映画『バイオハザード』のトラウマシーンを想起させる肉体破損描写、DV妻の悲しみなど、全体的に重い描写が続く。
しかし、メインキャラの覚醒や、魅力的に描かれる敵キャラクターの最期など、それを上回るほどの娯楽性があったのも確か。
TVスペシャル版で見ると、神回と言われた第19話『ヒノカミ』のED演出が唐突に挿入されるので、若干、違和感はあった。

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柱合会議・機能回復訓練編
(第22話~第25話)

炭治郎の誠実さが最も光ったエピソードにも感じた。
彼の努力する姿が仲間たちを鼓舞していく描写、金髪とイノシシ頭のタイプを見極めて、やる気を持たせる先輩女性キャラ・胡蝶しのぶの描写など、リーダーシップ論にも近い展開が興味深かった。
というか、胡蝶しのぶのキャラがよすぎて、それだけで名作。

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新たなる任務
(第26話)

映画版に繋がる最終エピソード。
割とのっけから、『インセプション』みたいな描写があり、テンションが上がる。笑
また、幸せな日常描写の中での心温まるエピソードが心地よく、個人的には、映画版より、全然泣けた。笑
主人公・炭治郎と、内気な同期女性剣士・カナヲのエピソードが最高すぎて、これで2時間やってほしいレベル。
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