浅野公喜

ハイスクールミステリー学園七不思議の浅野公喜のレビュー・感想・評価

4.1
つのだじろう原作の黄泉(読みは「よみ」ではなく「こうせん」)学園という高校に通う女子高生達の周りで起こる怪奇現象を描いた90年代前半のホラーアニメ。やたら彫りが深いというか、クール系というか、男顔の女性キャラが多数登場します(笑)。

今夏は「地獄先生ぬーべー」や「学校の怪談」といった子供の頃観たアニメを再見しましたが、自分が生まれた直後放送していた完全リアルタイムではない今作は、それらよりも時に怪奇・心霊現象が解決されず、後味悪い結末が待ってたり、犠牲者も居たりとある意味一番現実的なホラー要素が多く含まれていたのが印象的で面白い作品でした。そして話数が多い故に学校の過去の出来事も多く取り上げられ、どれだけ怪奇現象と死者多いんだよとツッコミつつ、主人公・みずきと仲間三人組、そして月影先輩や霊能者・涙子さんといった頼もしいキャラ達の時に百合の香り漂う交流や今作直後「セーラームーン」に参加する豪華声優陣の演技を楽しむのが正しい観方の一つかもしれません(元一風堂でヒバリ・ミソラ「川の流れのように」やドラマ「ケイゾク」等の作曲の方によるエンディングテーマ、予告中に雷の音や猫の声が入るのも〇)。

好きなエピソードは
・優等生の霊が宿る机を使うと勉強が得意になる第4話「生きている机!?」
・クラス発表会のホラー劇がリアルなものになる第12話「地底からの声」
・怪しいピエロが登場したり「エルム街の悪夢4」のように廃車場の車が動いたりする第22話「罠」
・トンネルの壁に霊がいる第25話の「トンネル」
・自分の未来を見せてくれる元祖・呪いのビデオが登場する第28話「ビデオテープ」
・日本人形を彼女にプレゼントする凄まじいセンスの男が登場する第31話「生き人形」
・心霊写真を作る少女の因果応報を描く第34話「心霊写真」
・ラスト一瞬が不気味な結婚式をテーマにした第35話「生霊」
・インターネット黎明期が新鮮な第36話「パソコン通信」
・「ミスト」や「ザ・フォッグ」と同じテーマの第38話「霧」等。

みずきのバイト先のレンタルビデオ屋の「日本犯し話し」「ショタコン・ブギ」「15日の日曜日」「死霊の泡踊り」「ギャリー2」「恐怖の売子」「悪魔のベッチャベッチャジュニアスクール」「オグラアン」「ホラデター」といったパロディタイトル、第39話「イヤリング」に登場するバンドの最高にダサい歌詞にも注目。
浅野公喜

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