八咫烏

神霊狩/GHOST HOUNDの八咫烏のネタバレレビュー・内容・結末

神霊狩/GHOST HOUND(2007年製作のアニメ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

士郎正宗×IGで観たかったアニメ。タイトルから連想する様な話ではない。霊は狩らない。
op 曲がカッコよく、ed はどこか懐かしい。キャラ絵は幼い感じ。方言も相まって3人の少年達が可愛らしい。声優の演技もとても良い。

閉塞的な田舎の町に住む3人には、それぞれ匡幸いわく「一生変えられない過去」がある。少年達の背景は序盤で明かされるが、先行きが分からなくて、BGM(というか効果音)でずっと不安を煽られる。出てくる大人は怪しげで、敵か味方かも分からない。導入部分の不気味さが際立っている。

オカルト要素と医学的アプローチが混在していて、ミスリードも多い。予告で毎回ケムに巻かれる。
町の人が主人公含め皆方言で喋る。これがとても良い。怖いというより、重く暗いストーリーをまろやかにしてくれている。
〜ごたるって可愛いな。

少年達が背負う物はかなりハード。大人だったらきっと背負いきれない。
3人が過去に向き合い、乗り越えていくさまを、それぞれに寄り添ってじっくりと描いている。
犯罪被害者家族の苦悩から始まり〜トラウマ+オカルト〜生物科学〜カルト宗教へとつながっていく流れは飽きさせない。過去の事件の点と点が11年を経て線でつながっていく。
最後は生身でぶつかっていくのはカタルシスを感じる。
タマヌケが出来なくなるのは象徴的。信が一足早く大人の階段を登った。

設定もストーリーも好きだ。最終回が駆け足で割とあっさり。そこだけちょっと残念。
少年達にガッツリ感情移入してしまった。20周年を記念して作ったのがこの作品なのがいいと思う。辛いテーマではあるのだが観て良かった。
八咫烏

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