こたつむり

メイドインアビス 烈日の黄金郷のこたつむりのレビュー・感想・評価

5.0
劇場版である『深き魂の黎明』の続編。
いやぁ。相変わらずエグいですね。前作も苛烈でしたが、本作はその衝撃を軽々と飛び越えていきます。可愛らしい絵柄に騙されたらダメですね。

ちなみに前作の劇場版はR15+。
ゲームの場合はZ区分(映画で言えばR18)。主人公(女の子)の排泄シーンが普通に描かれる…という時点でお察しいただきたいです。はい。

これは原作者がヤヴァいんでしょうね。
というか、着想の拠り所が知りたいです。例えば、卵型の遺物《欲望の揺籃》は『ベルセルク』のアレがきっかけです…なんて分かれば安心できるんですけどね。これが「日常生活で思いつきました」なんて言われたら…確実にガクブル案件です。

ちなみに、本作が連載デビュー作。
それまではイラストレーターだったそうですが…転身して良かったですね。この才能が在野に埋もれていたら世界にとって大いなる損失でした(色々な意味で)。

何よりも見事なのは表層だけじゃないこと。
四肢が吹き飛んでも、臓物を喰われても、子供を贄にされても、魂を残した肉片と化しても…全ては現実の延長線。惨劇から目を逸らしたいのは観客の“傲慢”に過ぎません。

だから、面白いのでしょう。
心を抉られながらも「この先はどうなるのだ」と手を伸ばしたくなるのです。

そして、その原作を活かしたアニメ化。
もうね。圧倒的ですよ。これを見ずにして死ねるか、ですよ。

あと、一応、休息できる場所もありますからね。僕としてはメイニャの存在をオススメします。というか、早く商品化すべきです。ぬいぐるみにすればヒット確実。素材はビニルじゃなくて“ぬくもり”を感じる仕様にしてくださいね。お腹を押したら「めやぁ」なんて鳴いたら萌え死確実です。

まあ、そんなわけで。
涙は渇いても、血は蒸発しません。
生物が持つ“原初の罪”に真正面から向き合い、好奇心を肯定する“勇気”を讃えるためにも、本作は観るべきです。なお、観賞する際は1stシーズンと劇場版を堪能してから。本作から始めるのは100%「愚の骨頂」ですよ。

そして、続きが描かれることを座して待ちましょう。
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