たも

化物語のたものレビュー・感想・評価

化物語(2009年製作のアニメ)
4.5
 暦物語の終わりまで鑑賞済みで、終物語と続終物語を観てみたいが為に1から見直すことに決めた。

 この作品の作者西尾維新さんは紛れもない天才。NISIOISIN(上下左右ひっくり返しても対象、左右逆から呼んでも対象、線対象と点対象)という名前は太陰太極図のように美しく、名前から感じるこだわりが作品にも反映されているようで、完璧なまでに洗練されていて、卓越したセリフ回しや言葉遊び、万人受けするラブコメ、自身の描いた唯一無二の世界観を投影する表現力と良いと感じるところがあまりにも多すぎる作家さん。

 化物語はそんな西尾維新さんの魅力はもちろん、俗に言う物語シリーズのプロローグ的な作品。というかこれ以上ないくらいプロローグが上手いと感じた。
 見蕩れてしまうシーンもあれば、おもわず唸ってしまうほど道徳的に考えさせれてしまう深みのある台詞回しや群像劇、続きをもっとみたいと思もわせるのがとても上手い。初めて見た時には感じなかったメンタルに来るシーンがいくつかあった。

 ※以下ネタバレ※
 当時見た時より一人一人のヒロイン達が更に魅力的に見えるようになってて嬉しい。あんまり腰を入れて鑑賞できていなかったのはたぶん倫理的に共感できるほど精神的に発達してなかったからだと思う。当時見た時に抱いていた印象は、強いて言えば八九寺真宵とそのやりとりが好きな作品って感じだったけど、戦場ヶ原ひたぎ、神原駿河、千石撫子、羽川翼全てのヒロイン達がそれぞれ人としてリアリティのある悩みを抱えていて、道徳的に正しくあろうとする暦との掛け合いがとても魅力的に映った。2週目なのに続きを見るのが楽しみ。

 めちゃくちゃどうでもいいけど忍野メメと五条悟って放ってる雰囲気が似てる気がする。
たも

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