様々なジャンルを縦断する特色を良しとするか散漫と捉えるかは受け手次第か。事件が起きる前に事件を解決しておくとシエスタの台詞がある通り、先立った仕込みは面白いが、推理らしい推理のロジックが作品を彩るでもなく、探偵とは名ばかりの異能を交えた冒険譚と言った印象が強い。ミステリとしてもアドベンチャーとしても原作のライトノベルらしい軽さが目に付く(それ自体は悪い意味ではなく)。
個性的なキャラクターの掛け合いは観ていて楽しく、また雰囲気に即した音楽も好ましく思えた。しかしながら、続編で明かされると言われてしまえばそれまでだが、闘っている敵や舞台背景の描き込みが浅いのはどうにも引っ掛かる。作画の面で言えば1話目は気合いが入っており、機内のアクションシーンに限定すれば目を引く素晴らしさだった。
