平田一

探偵はもう、死んでいる。の平田一のレビュー・感想・評価

探偵はもう、死んでいる。(2021年製作のアニメ)
2.1
“だけどその遺志は、決して死なない”

二語十さん原作の同名ラノベシリーズを2018年発足の(アニメーション制作会社・)ENGIさんでアニメ化。名探偵を自称する一人の少女と出会ったことから「探偵の助手」として生きてく少年を描く。監督は「宇崎ちゃんは遊びたい!」でキャラクターデザインを務めた栗原学さん。

物語の主人公は高校生・君塚君彦。自他共に認めるほどの「巻き込まれ体質」で、今日も地上1万メートルの空の上でハイジャックに巻き込まれた。そんな時彼の前に白髪の少女・シエスタが現れて、シエスタの「助手」として以降生きてくこととなる。

物語はシエスタの“死”から大きく動き出す――。

初回は1時間スペシャルと気合がやたらと入ってました。ギュンギュン動くアクション作画、シエスタの躍動感。正直一瞬違うアニメ見てたっけ?って思うほど、掴みが非常に優れていたのが最初に抱いた印象です。ところが話が進むほどに関心が薄れていって、終いには「そういえば見終えたな」って出来でした。先に言うと原作ラノベは全然読めてないですし、だからどれほど忠実なのかはまるで分かっておりません。ですがアニメ単体としてボクは惹かれなかったです。というか探偵ものって感じが全然皆無だし……

もっと言うとラブコメ要素が完全に邪魔でした。死を悼むお話なのか、ラブコメ姿勢で行きたいのか、アニメはどうにも調合具合がまるでハマっていないようで、しかもヒロイン・夏凪渚にまったく興味が抱けない。今思い返しても、何か魅力あったっけ?って失礼を承知で言える、無味無臭のキャラすぎて、個人的に渚のターンをあんまり覚えておらずです。

振り返ると探偵ものって小さい時からまあまあ見てて、コナン君とか金田一とかあの手は楽しく見てました。ダウニーJrの『シャーロック・ホームズ』なんかは痛快ですし、「憂国のモリアーティ」においては非常に骨太でした。まあ列挙した作品はある意味正道作品ですが、これはまあ異能力ものを混ぜた変化球。けど全然探偵ものの楽しさが見られずで、ハッキリ言うなら異能ものとしても全然楽しめない。結局何が描きたいのかまったくボクには分からない。今更ながら相性の問題は避けれんな……。

2期が決まっているようですが、これもよう実アニメ同様、まるでハマって見られなかった作品になりました。うん、やっぱり思い出しても、このアニメ、ビミョーです(個人的に言わせてもらうと)。
平田一

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