さうすぽー

白い砂のアクアトープのさうすぽーのレビュー・感想・評価

白い砂のアクアトープ(2021年製作のアニメ)
2.4
自己満足点 47点

期待してたのに、まさかの期待外れ(^_^;)
【色づく世界の明日から】の篠原俊哉監督と柿原優子脚本コンビのPA.WORKS作品。
前回レビューを書いたその作品が好きだったのと、僕自身が沖縄県にゆかりがあるのでかなり期待してたのですが、観れば観るほど残念な作品でした。


主人公のくくるが廃館寸前の水族館の館長代理として働き、アイドルを引退した風花が出会って水族館で働くお仕事ものとP.A.WORKS得意のファンタジー要素が入る物語が前半の物語なのですが、1話に関してはかなり良かったんです。
風花がくくるの水族館に行くことで、不思議な現象と共に感傷に浸っている最中にくくると出会う下りに引き込まれました。

そして、映像もいつものように良かったので1話観ただけで「面白くなる!」と思ってたのですが...残念ながら面白さは下がってく一方でした。


この作品は色々と問題があります。

まずはキャラクター描写の欠陥。
くくるの性格が反抗期のガキのようでかなり面倒臭いです。
最初はその未熟な性格から次第にマトモに成長していくのかな?と思ってたのですが、正直2部でもそのままでイライラしました。
(つーか、仕事がうまくいかなかったり色々とショックが重なったのは理解するけど、だからって水族館を無断で休むなよ)

1部で研修に来たティンガーラの飼育員の知夢に関しては自身の内部事情等が(シングルマザーという事を周囲に隠してた)他のキャラより深掘りされるキャラクターであり、当初がまがま水族館のメンバーに対して不満を抱いていくも(特にくくるとの対立する)次第に仲が改善されるキャラクターでした。ただ、くくると対立するキャラクターにしては随分と嫌味な態度で接したり「嫌な奴」オーラを出してくることが多かった事に違和感があります。
別に不満の態度で接すれば良いだけなのに嫌味な態度を取らせる必要は無かったと思います。なので一番好きになれるはずのキャラなのにあまり好きになれませんでした。

ちなみに風花に関しては、元アイドルの設定を生かしきれてない所が不満ですが、今作のキャラの中では好きな方でした。


そして最悪だったのが、ティンガーラの副館長。
これは多くの方が指摘していますが、とにかく主人公に対してのパワハラが酷い。
いやいや、いくら新人で仕事が上手く出来ないからって「プランクトン」呼ばわりするのはいじめどころか侮辱に等しい(しかもアダ名の理由が「雑魚以下」という酷い理由)。
一応終盤で奴の過去に触れられたりして、「実は良いところもある」的な展開を出そうとしてましたが、主人公にパワハラはするわ、飼育員の意見を無視するわ企画に対して何もアドバイスしないわ、いるだけで作品の質を著しく低下させるだけのキャラでしかありません!


あとダメだったのがファンタジー要素。
1部のがまがま水族館で多く登場したキジムナーですが、作中のファンタジー要素が「キジムナーの悪戯」という設定でした。
それ自体は良かったものの、最後まで観て全然必要性が感じられないです。
「キジムナーが何故水族館に魔法をかけるのか」という所は触れる事を期待してたのに、1部でもウヤムヤだったし2部は最終回以外全く登場しないし、何のためのキャラだったのか?
そして、何のためのファンタジーだったのか?


沖縄県の自然と水族館という良さそうな題材なだけに、その要素でP.A.worksが外れの作品を作ってしまった事に残念に感じます。