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Yes!プリキュア5 GoGo!のKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

Yes!プリキュア5 GoGo!(2008年製作のアニメ)
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ココとナッツのダブルスタンダードが少し薄れた印象。特にココ。彼らのダブスタの薄れは一方でこの作品の面白さを損なわせたようにも思えるし、他方でこの作品をより健全な方向へ軌道修正したようにも思える。

敵のおどろおどろしさも少し弱まり大人からするとワクワク要素が少し減った。

ポピュリズム的な応援要素はやはり少ないものの、26話はとびきりのポピュリズムだった。知らない街へプリキュアが赴き、その街に住んでいる見知らぬ良民のために自助努力して戦う。その戦う姿をみて、市民たちは彼女たちを応援し、自分たちにできることを努力してやる。その輪は報道の力で広まり、この街の新しいシンボルにまでなる。王道ポピュリズム展開でよかった。

ブンビーさんのことも少し触れようかな、『YES!プリキュア5』のころも含めて。彼のキャラクター像は高木渉に一任されている節があるように思う。暗がりの中で喋る描写が最初の頃は多く、口元がよく見えないので相対的に画の力が弱まり声の自由が効く。またモノローグと実際の喋りの行き来を自在に行うことでブンビーの口が開いていようがいまいが、高木はぺちゃくちゃと喋ることができ、視聴者もそれを(慣れもあるだろうが)受け入れることができる。そのことによってブンビーは信憑性のないキャラクターになった。つまり、彼はシナリオに書いてあることを喋っているのか、そうではないのかがもうよくわからないのだ。シナリオに書いてあることを喋っているようにも聞こえるし、口から出まかせ言っているようにも聞こえる。この信憑性のなさが、ブンビーのしぶとさや掴みどころのなさに繋がり、彼を魅力的なキャラクターにした。
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