しいなず

シャドーハウス 第2期のしいなずのネタバレレビュー・内容・結末

シャドーハウス 第2期(2022年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シャドーハウス1期は放映時にテレビ録画で視聴していた。その時もとても楽しめて、話のつづきが気になるいい幕のおろしかたをしてくれたので、2期を強く待ちわびてつい高い期待を抱いていた。
今作は関係者の方々に、媒体を問わずありがちな続編劣化のジンクスを乗り越えてくれて本当にありがとうと、心から感謝したいほど最高の出来だった。


前作では視聴者たちに、大人のシャドーは生き人形(人間)と同一化している等といったことがエドワードの演奏シーンでメタ的に明かされた。
今作はそれらシャドー家の隠された真実を知っていく過程がキーになっており、1期より更にケイトやエミリコ、ジョンやショーン達が探求するパートが多くなっている。
1期がストーリー的に全体の前提となるシャドー家と生き人形たちの状況、すなわち世界観説明にしっかり尺を割いている分、今作は1期ラストでくすぐられた視聴者のシャドー家への探求心をしっかり満たしてくれる構成になっていると感じた。

ケイトがジョンを信頼したことで、今作のスポットライトは同期4人組の中でもケイトペアとジョンペアにあたりがちだったが、残り2ペアをおざなりにしているとは感じない見せ場がそれぞれにあったのも良かった。
そもそも今作は同期4ペアだけでなくバービー・バーバラとローズマリー・マリーローズも重要なキャラクターなのだが、ケイトの亡霊事件推理編のウェイトを同期4ペアたちに、重要な終盤の解決編で後者の2ペアにウェイトが置かれることで、まんべんなくそれぞれのキャラクターにフォーカスが当たっている印象を受けた。
明確に話数の枠が決まっているアニメという作品媒体で構成に失敗してしまうと、特定のキャラだけひいきしているor誰が主役なのかわからなくなることが少なからずある。また、2期決定したパターンの作品だと、2期だからという甘えでダラダラ進行してしまってもったいない出来になることもある。そこの失敗をしっかり防いでくれて、ノンストレスに視聴できたのも高評価の理由だ。
原作は1期の時は完全に未読、今でもまだアニメの展開に間に合うほど読めていないのでアニオリなどの判断はできないが、元のストーリーがしっかりしているからできる作りなんじゃないかと感じた。

改めて最後まで見終わって、本編で回想シーンに昔のバービー・バーバラとローズマリー・マリーローズの2ペアが出る前から、エンディングで彼女らに関係性があることをかなりガッツリ仄めかしていたことに気づく。終盤になって、本編でマリーローズから過去への言及が出るまで気づかなかった自分の鈍さに思わずあきれてしまった。
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