こたつむり

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.0
アニメで大切なのは物語とキャラクター。
その両輪が作品を構築している…という観点で考えると、本作を評価できないのは当然。何しろ、魅力的なキャラクターが居ないのです。

というか“害悪”ばかり。
特にニナ・パープルトンは擁護が出来ないくらいに最悪。ネット界隈では「紫豚」と言われているようですが、それも納得の悪女っぷり。彼女がヒロイン枠にいるなんて…製作者には破滅願望があるのでしょうか。

また、好敵手となるアナベル・ガトーも微妙。
彼自身に悪い印象はありませんが「鬼神」のようなパイロットが一年戦争末期に生き残っていた…という部分が引っ掛かるのです。学徒出陣の意味合いが薄くなっちゃうんですよね。

それはモビルスーツの系統も同様。
一年戦争のRX-78-2からグリプス戦役のMk2までの間を埋めるのが、フルバーニアンとかサイサリス…って繋がっていないと思うのです。性能やデザインが飛ばし過ぎなんですよね。

一応、整合性は取っているようですけどね。
不祥事をもみ消すために口封じを行い、それに合わせてオーバースペックの技術も封印された…うん。なんとなく分かる話です(というか日常茶飯事すぎる話でしょう)

でも、歴史から消せるのは“事象を文字にすること”。つまり“発想”を完全に閉じ込めることは不可能なのです。加熱する開発競争の先に、本作の技術(の基となる着想)が使われないのは…やはり違和感しかありません。

特に顕著なのがデンドロビウム。
この機体がUC0087以降にどんな形で繋がるのか、あるいは繋がらないのか。それが見えません。正直なところ、製作者のエゴ(もしくは商売根性)が突出している感じがしました。

まあ、そんなわけで。
世間では評判が上々の『ガンダム』外伝だとしても、全員が諸手を挙げて喜ぶわけではない…という話。勿論、僕の意見はマイナーだと思いますので参考にならないでしょうけど…。
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