こたつむり

機動戦士ガンダムΖΖのこたつむりのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダムΖΖ(1986年製作のアニメ)
2.5
◆ 異彩!原点回帰の因果応報!
  迷走した先に転がる屍は誰のものか!?

前作『Zガンダム』が難しすぎた反動。
つまり、熱血ロボットアニメという目標を掲げた作品。でも、オープニング曲で「アニメじゃない」を選ぶところに“ねじ曲がった怨念”を感じました。

というか、視聴者を取り戻すのに必要なのは、飛び道具ではなく地道な努力。表面だけ明るくしても、その奥に沸々とした“何か”があれば視聴者に伝わるのです。そういう意味では、とても残念な作品でした。

また、モビルスーツも微妙な造形ばかり。
キュベレイという傑作を前作で出したのですから、その路線を突き詰めれば良いのに…立体化が難しいという理由で軸がブレたのでしょう。

ただ、ポテンシャルは一級品。
ティターンズに勝利したものの、疲弊して青色吐息のエゥーゴ。戦力を温存したために、実質的なグリプス戦役の勝者と言えるネオジオン(アクシズ)。この状況はエゥーゴ側からすれば絶望的。ヒロイズムを描くには格好の舞台です。

勿論、製作者もそれを望んだのでしょう。
主人公であるジュドーは徹底的に明るく、ヒーローになる素質はバッチリでした。しかし、強くて明るいだけでは世界を救うことが出来ないわけで。

大切なのは彼をバックアップする存在。
『Zガンダム』の終盤で「これでもか」と煮沸した結果、ジュドーをサポートしてくれる存在がブライト・ノア艦長だけになってしまったのは痛かったですね。

なので、その辺りをフォローすれば。
もう少し地面に足を付けた形でアレンジすれば…面白いリメイクになると思います。折角『Zガンダム』も再生したのですから、本作も新たな形で生まれ変わってくれると…嬉しいなあ。

まあ、そんなわけで。
一部からは「要らない子」と呼ばれた不遇の作品。是非とも『閃光のハサウェイ』が完結した暁には、本作にも目を向けてもらいたいです。今の時代、求められるのは希望に満ちた作品。本作はそれに相応しいと思います。
こたつむり

こたつむり