コムギ

がくえんゆーとぴあ まなびストレート!のコムギのレビュー・感想・評価

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鬼滅やFateシリーズで、アニメーション制作会社として今や確固たる地位を築いたufotableがそのブレイク前夜に制作を担当し(ufotableの名前が多くのアニメファンに意識され始めたのが2007年12月公開の「空の境界」だと思ってるから、2007年1月クールの本作はまさにブレイク前夜と言えるのでは)併せて今年「映画大好きポンポさん」で一躍脚光を浴びた平尾隆之監督も深く関わったTVシリーズ。

未放送回も含めた全13話のうち11話分の絵コンテに平尾監督が関わってるの凄い贅沢。これもう実質平尾監督作品では。ちなみに本作はチーム監督制なるものが採用されていて、4人がディレクターとしてクレジットされている。平尾監督はテクニカルディレクターという肩書き。立場がよくわからん。

十数年ぶりに見直したけどやっぱり名作。青春のキラキラが詰まっていて眩しい。

主要キャラクター5人の担当声優が豪華過ぎてビビる。ほかにも一話限りの学園祭のライブ歌唱が茅原実里だったり、OP/ED担当が林原めぐみだったりキャスティングほんとすごい。

当時は、キャラクターデザインが幼なくて高校生に見えないなぁとか思ってたけど、今回改めて鑑賞して子供であることを強調するためのカリカチュアなのかもと思った。ほかの学園のキャラクターはちゃんと高校生っぽいデザインだから、そうなんだろうな。
キャラクターの髪にグラデーションを掛ける手間とか、繊細な背景美術とか、安定した作画とか完成度たけぇ。これ本当に2007年にTV放送してた?オーパーツ感さえある。

手拍子が印象的な軽快な劇伴に併せて、テンポよくストーリーが展開されていく演出に「ポンポさん」に通じるものを感じる。同ポジの使い方とかもめちゃくちゃうまくてしびれる。ギャグの切れ味もなかなか鋭くて楽しい。
学園祭直前の狂気と熱気が入り混じったような独特な雰囲気に押井守的なものを感じるし、いつか終わってしまう青春の尊さというテーマ性に京アニ的なものも感じる。

タイトルとキャラクターデザインからは想像できない熱さを体感できる、唯一無二の魅力に溢れた作品。
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