たも

サマータイムレンダのたものレビュー・感想・評価

サマータイムレンダ(2022年製作のアニメ)
3.5
 良作。好きな人はとことん好きだと思う。リゼロ、シュタゲ、東リベ、僕街、オールユーニードイズキルなどに肩を並べるタイムリープ物。これらはどれも差別化されているし、ハマる人は間違いなくどハマりするはず。

 印象に残るシーンや、小ネタとかアイディアも面白いものが多い。

 個人的には深みというか心酔するような惚れ惚れする展開とかセリフとか考え方が登場しないのは好みではなかった。
 それでも矛盾した点や納得のいかないシナリオもなく良く出来た作品だった。
 キャラはみんな可愛いし方言もたまらない。何弁かわからないけど和歌山最高。

以下ネタバレ

 泣けるシーンがちらほら
 全25話の中で覚えてる限りでみおの告白のシーンと、学校の恩師の語り「うしおの手は殴るためじゃなく撫でたり手を繋いだりハグして温めたりするのに使って欲しい。」って当たり前だけど人格を形成するような考え方にうしおも応えたいって素直な姿勢と心が泣けた。あんなパッと出のキャラとエピソードだったのに素敵だと感じた。うしおのキャラクターが立ってるおかげだと思う。
 特に印象に残ってるのはこの二つ。他にも何かあった気がするけど忘れた。

 感心したのはシデって敵のボスが恐らく一話から登場していたこと。神社(?)に行くって当初の目的が終盤に思い出される件。予想外だったしシデが300年以上生きているってアイディアも面白いと感じた。

 個人的に残念に思うのはあっさりすっきり丸く収まって旨味が逃げてしまっているところ。あれほど劇的な展開がたくさんあったのにサブキャラたちの活躍は全てなかったことに……。名前覚えてないけど主人公の親友の立ち位置のお母さんも何事もなく心臓だかの病で亡くなって、お父さんは悪に手を染めることもなくそれを受け入れて、眼帯おじさんやらみんなと仲良しこよしの世界線。
 これを機に漫画も読もうと最終話だけチラ見したらみおがうしおに「殴るんじゃなかったの」って妬いてるシーンがアニメとは違った。あれだけハッピーエンドでスッキリ終わらせてるが恋愛は悲しい結末?
 みおだけみおの影から自己嫌悪や主人公に好きバレさせられたり色々不遇で可哀想だった。うしおの影は明るいのにみおのは暗いのはなんだったんだろう…。あそこからなにか心打たれるシーンが生まれるのかとワクワクしたけど空振りだった。

 どこのシーンで具体的に思ったのか忘れたけど、今生きていて全力を出しきって生きていないのは未来の自分とこれから携わる全ての人に失礼じゃないかと思わせる何かがあって、それが響いた。
たも

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