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機動戦士ガンダムのmatchypotterのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム(1979年製作のアニメ)
4.4
久しぶりのTVアニメ。
日本のTVアニメ、ロボ部門の筆頭名作、“ガンダム”。
もうこれは文句なしのレジェンドTVシリーズ。

子供どころか大人も巻き込む世界的TVシリーズとなり、“ファースト”と呼ばれる初代ガンダムは今もなお多くのファンに愛される名作。

もちろん知ってるし、観たことあるし、有名なシーン、名台詞の数々も知ってるが、一気に最初から最後までちゃんと観たのは初めてかも知れない。

こんなに奥深いアニメだったのかと改めて実感する。ちょっとこれは凄すぎる。引き込まれ方が尋常ではない。

全43話、惰性で意味がない話が1話もない。
いくつかのフェーズに分かれてる。

まず序章はガンダム。このガンダムと成り行きでパイロットになるハメになったアムロ青年の存在。
この圧倒的な存在感を描き、敵対するジオン公国との関係を浮き彫りにし、敵に対しても味方に対してですら色んなトリガーになる。

その次に、ホワイトベースと乗組員。
ジオン公国の宿敵“赤い彗星”シャアに“木馬”と揶揄されるこの戦艦ホワイトベースの道中と乗組員を描く。
乗組員は最初のバタバタの脱出劇から続く継ぎはぎ足跡の経験値浅い奴らばかり。

この連邦軍の最新モビルスーツ“ガンダム”を保有した最新の戦艦“ホワイトベース”に乗り、いろんな経験を経て悩み、苦しみ、もがき、成長していくチーム。

船長ブライト、もはや理想の上司的な船長。
副官で操縦士のミライ、どっしり構えながら母性が滲み出るステキな女性。

そして管制官セイラ、ワケありで“赤い彗星”とも因縁があるが最後までホワイトベースと仲間とアムロを気遣う女性。管制官どころか、途中でガンダム操縦しちゃったり、その後は前線で戦闘にも加わる。冷静さと静かな闘志と優しさを兼ね揃える。

カイ、ハヤト、リュウ、みんなそれぞれキャラが唯一無二。
カイはなかなか歯に絹着せぬ物言いで、チームの混乱を招く奴で、そのクセ臆病風にも吹かれるけど、切磋琢磨しながらなんだかんだと成長していき、やがてホワイトベースになくてはならぬ存在になっていく様が印象的。
リュウは、、、リュウ。泣ける。

そして、ホワイトベースに乗るまでは、ただのアムロの幼馴染でしかなかったフラウボウ。
前線に出始めるセイラに代わって管制官し始めたり、アムロ探しに捜索したり、ケガ人の手当てで医務作業に当たったり。
天真爛漫で可愛げがあるだけでなく、言う時はアムロに対しても他のクルーに対しても言う強い女の子。
めちゃくちゃ可愛くて素敵、フラウボウ。
実は途中のある話で、、、、少し前のアニメだからこそ起きるシーンもある。

魅力的なメンバーだが、みんながみんな未熟者であるのが、だからこそこのホワイトベースとその道中の魅力たるや。

まるでロードムービーのような、敵陣営から抜け出す時も、味方陣営に入ったと思ったらあれやこれやと任務を押し付けられて先陣切らされるのも、その全てを受け止めて、文句垂れてでも、生き延びるために絶対に諦めないその姿勢に胸を打たれる。

マチルダさんやガチの軍の人間にはないもの、見えなくなってしまってるものが彼らには見えていて、未熟な彼らだからこそできないことを乗り越えられているような。

個人的にはこの“ファースト”の前半〜中盤はガンダムとアムロよりもこのホワイトベースの道中によるインパクトの方が大きい。面白い。

そこで完全に掴まれてからの後半戦。
ガンダムとアムロの存在に感化され、ジオンがいよいよ頭角を表す。

ガンダムに対するジオンの猛者達とシャアの新型モビルスーツ、モビルアーマーの応酬。
グフ、ドム、ゴック、ズゴック、アッガイ、ギャン、ゲルググ、エルメス、そして、ジオング。

連邦軍はガンダム、ガンキャノン、ガンタンク。
他は戦闘機型とジムやらボールやらで、モビルスーツの種類は圧倒的にジオンに劣る。

この襲いくるジオンのバリエーションが後半戦に急激にピッチを上げてくることでいよいよ目が離せなくなる。

そして、そんな歴戦の戦いを1歩1歩と進んでいくうちに今度はアムロや“人”に変化が起きる、、、そう、“ニュータイプ”。
“ニュータイプ”なる、次の進化とも言われる通常の人類が持ち合わせていない領域を持つ人の存在が明らかになってくる。

アムロもまた“ニュータイプ”で、後半にそれが芽生え覚醒する。「アムロが“ニュータイプ”で覚醒してしまったおかげで、ガンダムの性能がアムロに追いつけなくなる」ほど。

“人”がそれまでのテクノロジーを凌駕してしまうこと、それすなわち進化の要素も取り入れる。

同じ“ニュータイプ”のララァとの戦い。
アムロガンダム、ララァエルメス、セイラガンファイター、シャアゲルググの戦い。
これは歴史に残る戦いに違いない。
命や言葉のやりとり、起きること全てがこの作品の言いたいことやりたいことを体現している。

そして、最後に辿り着くジオンの要塞、アバオアクー。一度聞いたら忘れない名称、アバオアクー。

ジオンの創始であるザビ家の政治や軍国主義。
それに対してイチモツ抱えながら従軍しながらガンダムに執念を燃やすシャア。

ドタバタから始まり、最後までドタバタ終わらず、心も体も限界突破しながら現状を打破し、成長し絆を作るホワイトベース。

その渦中にたまたま操縦できてしまったことでものすごい大局に飲み込まれてしまうアムロとフラウボウ。

宇宙世紀なる時間の流れの中、ここから壮大な歴史と造形が作られ、アニメとロボ業界のレジェンドと化す、まさに“伝説のアニメ”。

なるべく時間を空けずにちゃんと通して観たことで、初めてこの作品の凄さに気付けたかも知れない。

観終わって、スゴい衝撃。
、、、ということで、また近いうちに“Z”“ZZ”にもチャレンジしたい。

、、、そういえば、ハリウッドで実写化される説あったけど、最近聞かなくなったな、、、、。


F:1825
M:1835
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