世界の紛争地帯を渡り歩く武器商人ココ・ヘクマティアルとその私兵のハードボイルドアクション。分割2クール全24話の後半。
前半(第1クール)は登場人物を紹介がほとんどであったが、ココには何かしらの企てがあることが示唆されるものの、常にポーカーフェイスで真意もヨナを連れまわす理由も分かりにくい。
後半では主にアメリカや日本の諜報組織が絡み始め、ココの企て「ヨルムンガンド計画」に収束していく。前半でもココは「平和のために武器を売っている」と話していたように、「ヨルムンガンド計画」はもちろん世界平和の実現のための計画である。実現の可能性はともかく「ヨルムンガンド計画」により「どうすれば世界は平和になるか」という人類永遠の宿題の答えを提示している。何も答えを出さないよりはいいだろう。
一方、ココの兄であるキャスパーはココのように平和への情熱があるわけではないが、ココに理解を示しながらも、キャスパーの徹底したリアリストぶりも作品に奥行きを出している。
ヨナのポジションはあくまで読者・視聴者の視点。ココとその仲間たちはヨナにとって家族であるものの、救いになっているのだろうかは疑問に思う。
脚本、演出、映像、音楽どれをとってもハイクオリティー。ただし、前半はやや冗長なので分割ではなく続けて観ることをおすすめする。