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デュラララ!!×2 承のウシュアイアのレビュー・感想・評価

デュラララ!!×2 承(2015年製作のアニメ)
3.7
前作から続けて観ていると、だんだん見方が分かってくる。

カラーギャングの抗争、オカルトが混然一体となっている話だが、結局のところ、主人公は帝人で、ダラーズをめぐる話として見た方がよさそうだ。前作の第1シーズンは主に帝人と正臣の関係性、友情がテーマであったが、第2シーズン以降は三部まとめて「デュラララ!!×2」となっており、別のテーマが設定されているようだ。

第2シーズンの「デュラララ!!×2 承」の後半の方で見えてきたテーマは「集団・群衆心理」といったところだろうか。

何の目的もなく、チャットルームにアクセスしてつながったもの同士の集まりからはじまった「ダラーズ」が巨大化し、リーダー不在のまま放置されるとどうなるか、という話がしたいのだろう。半グレにしても、ヤクザほど組織化されていなくても凶暴化したり、それゆえに警察によるコントロールの難しさもあるようだが、原作ではこうした半グレが社会問題として認識されるようになる前に、ネットを介して巨大化した集団の変容を描いたわけだから、今にして思えば先見性がある。

こうしたテーマならば首無しライダーや妖刀「罪歌」といったオカルト要素はテーマを分かりにくくすることになっていて不要だと思う。とはいえ、不要だからと言って切って捨ててシリアス路線にはしることが必ずしもいいわけではなく、むしろ不要な部分にエンタメ性を込めたのかもしれない。

相変わらず作画もいい感じに力が抜けていて気楽に観ることができる。いかんせんストーリーの情報量が多いので、絵からの余分な情報量がないのがありがたい。

キャスト、劇伴も秀逸。あとはストーリーとラノベ的なノリを好むか好まざるかの問題。

<あらすじ>
前作のカラーギャング同士の抗争からしばらくしてから平穏を取り戻したかのように見えた池袋の街に、埼玉の暴走族「To羅丸」やヤクザ「粟楠会」が絡んだ事件が起こり、再びダラーズをめぐり不穏な動動きを見せ始める。
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