わんこ我々はら組

陰の実力者になりたくて!のわんこ我々はら組のレビュー・感想・評価

陰の実力者になりたくて!(2022年製作のアニメ)
4.3
まさかの傑作

最初の数話はマジで大丈夫か?ってぐらい見るのがきつかったけど、だんだんどんなアニメなのかわかってきた。

それは「客観視」と「記号化」である

客観視とはつまり、主人公のキャラクター性に対する言葉である。主人公のシドくんはかっこいいという意識のみで物語を前に進行する。そしてその「かっこいい」がどうにも厨二病的なのだが、それを物語全体が一歩引いて、わざとそのような振る舞いをしている。なぜならそれが好きなやつだから。こうすることでシドくんの真面目感が消えてその厨二病に対する客観視の視点そのものがキャラクター性にもなっている。

その意味で、これから述べる「記号化」にも通じてくる。

「記号化」とはシドくんの周りのキャラクター、物語展開である。
基本的に主人公は、物語展開を、かっこいいからの一点で動かす存在なので、展開そのものがその「かっこいい」のパッチワーク的側面を持ち、物語性必然性や整合性について説明することをやめていたり、「モブ」や「悪役」など型にはめられるキャラクターをわざと肩にはめることでより記号的意味以上を持たないものが多々存在する、が、それにより主人公シドくんが目指すかっこいい展開の邪魔が一切なくなるために見せ場しかほぼない、という神的なバランス感を見せている。

これにより、普通にジャンル「俺TSUEE」としてみても、面白くなるという隙のない構えになっている。

ここまで面白いアニメ久しぶりに見た。