てっちゃん

鉄人28号のてっちゃんのレビュー・感想・評価

鉄人28号(2004年製作のアニメ)
5.0
「ジャイアントロボ」「マジンガーZ」に続き、今川泰宏監督のロボットアニメを鑑賞。原作は横山光輝、本作の4度目のアニメ化です。
戦後10年という時代設定。鉄人も含めた太平洋戦争の闇の遺産と高度成長に取り残された人々の葛藤を克明に描いた傑作です。

「ロボット」「人造人間」「超人間」「宇宙開発」「異生物」「人工知能」といったSF設定、江戸川乱歩、横溝正史を連想させるかのような「少年探偵」ものの怪奇。またここかしこに、現実の「下山事件」「帝銀事件」などを織りまぜた虚構性。
「戦争と科学、そして兵器開発」という重いテーマがシリーズを貫いていて、暗いトーンとはなっていますが、全26話見ごたえ十分な作品です。(最近はずっと「鉄人28号」のテーマがループ)

「この世には生まれてはならないモノがある」
「良いも悪いもリモコンしだい」
「お前たちは敗戦国なのだ、一生我々には頭が上がらないのだよ」
「鉄人は自分の夢、生きてきた戦争その物」
「ここ(宇宙)は戦争がない世界なんだ」
「(戦争で)何も変わらなかった京都が憎い」
「私の戦後は何だったんだ」
「鉄人は兵器か道具か。私たちはね、戦後が終わった今こそ、自分たちの罪を問われているんだよ」
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