もとまち

今、そこにいる僕のもとまちのレビュー・感想・評価

今、そこにいる僕(1999年製作のアニメ)
4.2
前半(1〜7話あたり)はマジで完璧。人生ベストに入れていいくらい。何もかもがツボすぎて久々に涙出た。あの美しいキービジュから勝手に思い浮かべていたイメージを120%上回るキメッキメの映像美。世界観の説明を潔く削ぎ落とし、必要最低限のキャラクターで物語を展開させるミニマムな作劇もお見事。底知れぬ絶望に満ちた未来世界と、狂気じみた意志の強さで希望を抱き続ける主人公。その対峙が生む奇妙な均衡に途中まではワクワクしてたんだが、結局シュウは何も背負わないまま現代に帰り、サラだけがすべてを背負って未来に留まるラストはかなり納得がいかない。それは女の母性とやらに担わせるものが大きすぎるんじゃない?と思うし、 冷静に考えるとサラばかりが大切なものを失っていて、シュウ自身は殆んど何も失っていない。だから彼はすんなり現代に帰ることが出来るし、最後まで「大丈夫だよ」と言い続けることも出来てしまう。せめて何か一つ身体的な欠損を与えるか、自身も未来に大して責任を感じる(変えようとする意志を持つ)かくらいはしてほしかった。そうでないとフェアじゃないし、サラがあまりにも救われない。
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