初代のあまりに完璧な構成に比べれば、どうにもバランスの悪い展開が続く。序盤は初代を引きずりすぎているし、終盤はやや駆け足。また、このシリーズは家族の描写がひとつ大きな魅力だと思っているが、その辺も活かしきれていない。京の「大家族」なんて、もっと膨らましても面白そうだったけどな。
また、正直新デジモンのデザインがあまり良くないと思う。テイルモンが進化してウルトラの母になるのしんどすぎるし、エクスブイモン辺りもよく見ると微妙…。ラスボスもオリジナルを鑑みれば悲しい出来。
しかしいわゆる「ショット」は頻出していたと思う。取り残されるランドセル、包帯を投げ捨てるホークモン、荒野を車で走り行く男女、誘拐された子どもたちの顔…。これ！という画面が複数鮮明に思い出せるのは素晴らしいことだ。
また、後半の悪役の魅せ方が好きだった。彼らだけダークな乾いたタッチで描かれ、どうにも「浮いて」いるのだが、これはうまくストーリーを視覚化していたと思う。
というように、演出方面にはかなり力が入っていたのでは、と思う。
ベストは12話「デジモン牧場の決闘」。ゆる〜い浦沢脚本ももちろん素晴らしいのだが、牢屋に囚われたピヨモンが影からぼんやりと現れるショットがあまりにも凄い。ちなみに浦沢脚本がだいぶインフレした22話も面白い。
