エピソード28
過去を失くした男
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あらすじ
雨の降りしきるその日。
仕事も無くHONKY TONKのカウンターで暇をもてあます蛮と銀次のもとに一人の人物がやって来た。
高村裕二と名乗るその男は奇妙な”奪還”を依頼する
「私の…私の記憶を、奪り還して貰えないでしょうか?」
三ヶ月前、高村は恋人の結城みどりと共に崖から転落するという事故に遭遇。奇跡的に命は助かったものの、高村一人、記憶喪失になってしまった。
恋人の献身的な介抱の元、療養を続けていたのだが、高村にとってはそれが心を苦しめる原因となっていた。
そんな折、蛮の”邪眼”の噂を聞きつけ、記憶回復の手がかりになるのでは無いかと思い、奪還を依頼してきたのであった。
「邪眼は催眠術じゃあない。記憶を奪り戻せと言っても無理な相談だ…。」
と告げられ、落胆して帰ろうとする高村だったが、蛮はそれを引き止める。
「俺らも奪還屋だ。失ったものは必ず奪り還えす。その依頼、確かに引き受けたぜ。」
そうして高村の過去に関する場所を巡り始めるのだったが――。
© 青樹佑夜・綾峰欄人・講談社 / チーム奪還屋