真田ピロシキ

ゲッターロボGの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ゲッターロボG(1975年製作のアニメ)
3.4
初代と違ってこっちはストーリーを再現されたスパロボをやった事がなかったので主役と主役ロボ以外はほぼ未知の状態で鑑賞。前作で戦死した武蔵に変わって参入した弁慶。スパロボでは海ステージ以外では精神コマンドタンクになるだけの影の薄い男であったが、原作では動物と子供が好きな好感を持たれそうなキャラクターで主役のエピソードもチームの中で一番多い気がする優遇ぶり。オープニングとエンディングでは3人の真ん中に立っており弁慶が主役なのでは?石川賢の漫画版ではほとんどいるだけの存在らしいのに。隼人も結構印象に残るエピソードを用意されてて親しい人が出てきたらほとんど死んでしまうという不幸属性。お父さんやお姉さん、よく生きてたね。比べて主人公のはずの竜馬は単独エピソードは本当に少なかったなー前作でも偵察・補給要因として優秀さを発揮していたミチルさんは今作でも大活躍。最終回ではテーマソングをバックに隼人の代わりにゲッターライガーを操縦して百鬼メカを撃墜して、その後も勝利に繋がる撹乱戦法をしていたのが元々の役割を生かしてて実にそれらしく良いです。時代を考えると後の戦う女性キャラクターに影響を与えたんじゃないかな。エンディングのキャスト欄にはジョーホーと文次がずっと載ってたが、彼らの出番はほんの数回限りなのは謎だ。本来はもっと出番を考えられてたのかな?

敵の百鬼帝国はボスのブライ大帝は情けない帝王ゴールと違って終始大者。だけどあまり面白くはなかった。ゴールみたく人間味を見せるようなことも一切なく書き割りのような悪者で。まだその小悪党ぶりが憎らしいヒドラー元帥の方が面白い。モデルが誰なのか名前と顔、加えて思想からもあからさまなのがまた悪役として優れている。恐竜帝国と違って角がある以外は人間と変わらないため、ゲッターチームと心が通じるエピソードが少なくない。特に子供の百鬼である地虫鬼は悪い大人達に人間は残酷な敵だと思い込まされてて、前作で時折戦争の影をチラつかされてたように、本エピソードでも鬼畜米英的な含みを感じさせられた。

戦闘シーンは前作同様それぞれの持ち味を生かされるが、ゲッタードラゴンの必殺技シャインスパークが解禁されてからはそればかりになってやや単調。ラスボスメカも体当りするデカい飛行要塞なのは無敵戦艦ダイに比べると面白くない。その直前の合体百鬼ロボットの方が断然良い。ゲッターより多い5体合体でオープンゲット回避もできるという散々煮え湯を飲まされてきたゲッターロボには何としても負けないという意思が感じられる。各個撃破され続けるより最初からこの手を使っていたら勝っていたのではと言ってはいけない。

少し飽きてたこともあって前作ほどではなかったが、概ね楽しく見ることができた。次はゲッターロボアークだ。