ウシュアイア

勝負師伝説 哲也のウシュアイアのレビュー・感想・評価

勝負師伝説 哲也(2000年製作のアニメ)
4.4
和田アキ子がOP歌っているアニメなんて後にも先にも本作だけだろう。

戦後間もない昭和20年代初頭、麻雀で生計を立てる「玄人」と書いて「バイニン」と読む世界のお話。時には玄人芸と呼ばれるイカサマ技を駆使して、玄人相手に食うか食われるかの手に汗握る勝負を繰り広げる。

たとえイカサマの話でも麻雀をやったことがあれば熱くなれる。また、戦後の混乱期のアウトローの世界ということで、時代劇としても楽しめる。

勝負師の心得、師匠である房州の言うところの「力」というものは、現実世界の理不尽や不正と対峙するときの心構えとして通じるものがある。自分より弱いと思われたら潰しにかかるので、強いと思わせる、相手の心理の風上に立つことが「力」だというのだ。

20年ほど前の作品で、主人公の坊や哲は置鮎龍太郎、師匠の房州は大塚周夫、玄人で肝付兼太、柴田秀勝、ナレーションの青野武というレジェンド級のキャスティング!音楽は『世にも奇妙な物語』『MASTERキートン』『MONSTER』を手がけた蓜島邦明氏の音楽も味わい深い。OPの和田アキ子といい、コンセプトの一貫性が素晴らしい。
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