滝和也

機動警察パトレイバー アーリーデイズの滝和也のレビュー・感想・評価

4.0
ハイパーテクノロジーの
急速な発展とともに
あらゆる分野に進出した
汎用人間型作業機械
レイバー。

しかしそれはレイバー
犯罪と呼ばれる
新たな社会的脅威をも
産み出すことになった。
警視庁は本庁警備部内に
特化車両ニ課を創設して、
これに対抗した。
通称特車ニ課
パトロールレイバー中隊
パトレイバーの誕生である。

「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」

おなじみの冒頭のナレーション、懐かしく感じる方も多いと思います。80年代後半に時代を席巻し始めた才能が結集して作り上げた趣味の一品がパトレイバーと言ってよいでしょう(笑)原案に究極超人あ~るの漫画家ゆうきまさみ、うる星やつらからの脚本伊藤和典、キャラデザ高田明美ご夫妻。そして監督に押井守。オーラバトラーやモビルスーツデザインで頭角を表した出渕裕がメカデザインと超一流メンバーかつ一癖ある面子がヘッドギアとして揃った訳です。

作品もただのポリスアクションではなく、おまわりさんの日常、警察も公務員であるという踊る大捜査線の先を遥かに行く内容であり、そこにおなじみのロボットアクション、怪獣もの、刑事サスペンス、そしてミステリ、更に自衛隊が決起する大規模テロものとわずか7話の中でやりたいことをやり尽くすという…所謂やりたい放題の(笑)作風となりました。まぁ押井守さんですからね…逸話もかなりありますし…。3話なんてゴジラとサンダ対ガイラだし…(笑)

ただこれが抜群に面白かったんです。キャラクターの個性がすごくて掛け合いが面白いし、ギャグの間があってました。更にストーリーは多岐にわたり、飽きがこない。パトレイバーの特車としての妙なリアリティがまたたまらない。メカフェチにはレイバーの現行重機と似通った魅力やミリタリー性が良かったんです。

やりたい放題、もといやりたいことをやり抜いた故に時代に受け、TV、映画化と進むわけですが、原点はすべてここにあります。パトレイバー2はほぼ焼き直しですし、3話の怪獣ものは皆大好きで漫画、映画と出てきます。ミステリーサスペンスは映画の1ですか。兎に角、若き才能が結集して、ある意味決起して作られた時代に愛されたプロジェクトの発端部分ですので、未見の方にはおすすめです。
滝和也

滝和也