都部

はじめてのギャルの都部のレビュー・感想・評価

はじめてのギャル(2017年製作のアニメ)
2.2
あくまでアニメシリーズを通して見た感じ、極めて不愉快な作品だったので分かりやすく好かない話でしたね。

順に話していくと、私は性的な需要を満たす為だけに作られたような徹底的に語り部と読者に都合の良い あわよくば露出度の高いヒロインとお色気を混じえた青春を繰り広げる──といった作品自体は嫌いではなくて、むしろ映画好きの私からするとアニメーションを見る動機はそういう作品を目にするためと言うのが動議の4.5割を占めるので粗筋の時点で嫌悪感情を抱くようなことはありませんでした。

性体験の有無を巡る動機というのもある種パチェラームービーのような世俗一般のそれとして共感性の高い趣がありますし、女体の微振に一挙一動するような童貞の童貞たる色事への興味関心を指しての過剰な表現もこれ自体は『キツいよ〜』とはなるもののスパイス程度なら問題はありません。

なら何が駄目なのかと言えば、本作の主人公:羽柴を取り巻く友人の男衆の掛け合いの不快指数の高さで、ここが作品を呑み込むにあたって不純な要素として余りあるのは否めません。

本作はお色気漫画のセオリーを順に果たしていく構成なので、たとえば王様ゲーム然り海水浴然り露天風呂の覗き然りとそういう分かりやすいイベントをサブプロットとしてこなしていくのですが、予めそういう言動をギャグとして昇華する作品ですよとそこに至るまでに作風を提示してるので現代的な価値観からしてそれが悪いとかそういう話はしませんよ。

王様ゲームで邪な欲求を果たそうとしようが、海水浴でヒロインズの身体に性欲の様を向けようが、女風呂を覗きに行こうが、そういうタイプの作品ですと言うなら目くじらを立てる程のことではないですよ。

ないですけど、でもこれらの下りが微塵も本筋に絡まない上に端的に面白くないから、結果として言動の不快さだけが生々しく残るのがマジで駄目なんですよね。せめてギャグ的なノリで処理する体裁を取れというか、上滑りした雰囲気をなあなあで誤魔化して場面転換で流してくのは何のカバーにもなってませんし、この言動が成就してエロに繋がらないのであれば、じゃあ入れる意味はまるでないですよね。

『お色気要素のあるラブコメ漫画といえば……』みたいなノリでノルマの如くイベントを昇華するくらいならやめろとしか言いようがない。

そもそも本作は自分から縁遠いと思っていたギャル:八女と交際を始めたことで主人公の認識が変化し好意が本物になっていく、自分から見たその人の見た目と精神性は必ずしも一致しないという命題を背負った純愛のラブコメディですよね。

じゃあ周りの男のその言動はどうなんですか。それって、そういう作風とまるで真逆な偏見と固定観念の塊の描写ですけどってなるんですよね。

友人で言えばオタク的な外見をしているから性欲に溺れたオタク的な言動をそのまま取るだとか、友人以外のチンピラに目を向けても分かりやすく見た目で軽薄な女だと判断してナンパするみたいな雑なキャラクター描写がこれでもかと到来するんですよ。舐めてんのかと。
たしかに主題は八女を初めとするヒロインズの方かもしれませんけど、ある程度の存在感を放つキャラクターがテーマ性を否定するような言動を取ってたら違和感を抱くに決まってますよね。この手つきの雑さがテーマに対する不誠実さを感じさせるには十分の物になっていて、自分はそこがかなり不快でしたし不誠実な作品作りだなと思った次第です。

ヒロインの話に移ると全員えっちで最高でしたね。
私は溌剌なギャルだから露出度の高い格好をするのに躊躇いはないよねみたいな価値観が横行する作品は大好きですし、4人のヒロインの内3人の乳房が好みの大きさだったのでその点は満足です。

特に歳下幼馴染の藤ノ木寧音の低身長爆乳妹系ヒロインという分かりやすくエロに特化したキャラクターの一挙一動が媚び媚びで好きで、このヒロインで3話くらいエピソード作れと唸っていました。
羽柴が八女と交際し始めたことでギャルにイメチェンをするBefore/Afterの姿形の変化だけでも性的な興奮を催しますし、馬鹿みたいに胸を盛りに盛ってるキャラクターデザインも好みのそれでした。

ラブコメとしてはどうなのかと言えば、この辺りは良くも悪くも普通の域を出ることなく、文句があるとするとサブヒロイン達の失恋らしきものがメタファーと共に描写されるのですが1クールという短い話の中でそこまでやるのはやや詰め込みすぎかなというのがあって、そこが不満なくらいです。以上。
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