モノ作りの楽しさが伝わる素敵作品。自分たちの手で素材を集め創意工夫を凝らすわくわく感、出来上がった瞬間に訪れるえもいわれぬ感動、それらがジュブナイル特有の日常描写と重なり実に爽やかに描き出されている。近未来な舞台設定もノスタルジックな効果に一役買っている。普通科高校の潟女をエリート校である湯専の学生たちが見下ろす構図は分かりやすく記号的ではあるが、後者に通うぷりんとしーを巻き込んでツリーハウスを作る展開は恣意的であり、享受する自由に心動かされる。存分に楽しさを表現したオープニング、郷愁に駆られるエンディング、作品を彩る音楽も素晴らしい。
