都部

GOLDEN BOY さすらいのお勉強野郎の都部のレビュー・感想・評価

3.2
性欲に実直な作品を前にすると時に面食らう若輩者の身ではあるが、やはり受容/拒絶の心境を分ける明確な一線があり、本作はどちらかと言えばその時代観から後者寄りの所感を覚えた。いや、当時でもここまで破廉恥な格好をした女性陣はそうそう生息していなかったと思われるが。

物語は大江錦太郎が往く先々で女性と接触し、嫌悪感情を買い、巡り巡って好意を持たれるもその時既に彼は去っているという一話完結の人情劇物であるが登場する6名のヒロインはバラエティ豊かでその辺は結構だった。痴女さながらの格好した女や対物生愛者など個性的な面々もいれば、素朴な比較的現実的な魅力を持ったヒロイン達も存在している。

そうしたエピソード群に付随する語り部による妄想を含めたエロス描写の数々はやたら生々しく人によっては確実に嫌悪感を煽るもので、流石に六話も見れば慣れてはくるけれど鑑賞を続けるに厳しいものがあった。女体に対する興味関心はともかく女性用便器に対する謎の執着心はなんなんだよ。しかし全6話/一話完結のOVAシリーズであるからか作画の水準は平均して高く、個人的には5話の自転車と大型バイクによる山間レースは見所が多くて楽しかったので、要素の良し悪しなのである。人情劇も感動出来たり出来なかったりと、流石に20分強の尺の中で展開される物語の枠組みは超越していないので期待しすぎない程度が良い。
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