つめけん

四畳半神話大系のつめけんのレビュー・感想・評価

四畳半神話大系(2010年製作のアニメ)
4.5
「もっと有意義な人生があったかもしれない もっと薔薇色で もっと光輝いていて 一点の曇りもない学生生活を思う様満喫していたかも」

「今ここにいる君以外、他の何者にもなれない自分を認めなくてはいけない」


オールタイムベスト級の作品かもしれない。もっと早く見たかった。

「どのサークルに入るか」という一見なんでもないけど学生生活においては重要なファクターで分岐するパラレルワールドのお話。あの時○○をしていなければ…という理屈で繰り返される壮大ながらしょうもないタイムリープが楽しい。

ラスト2話はそれまでのお話の総決算のようなストーリーで、これが素晴らしい。
原作小説では章の終わりごとに毎度その章のまとめみたいなのが入るんだけど、このアニメではそれを全部カットして最後にひとまとめにして持ってきてる。これが上手い。樋口の説教を最後に回したのは英断。

人生は後悔や懐疑に満ちているけど、だからと言って何もせず1人で考え込んでも仕方がないぜ という、ありきたりながら温かいテーマを洒落た映像と怒涛の伏線回収で魅せてくれる素敵なお話だった。

僕の好きな映画に「バタフライエフェクト」という作品があるんだけど、それをマイルドでハッピーにしたような作品だった。すごく好き。
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