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四畳半神話大系のdiesixxのレビュー・感想・評価

四畳半神話大系(2010年製作のアニメ)
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大学の4年間というのは、無為に過ごしてしまった時間や手痛い失敗、持て余した自尊心、大学でしか会えない奇妙な知人友人との遊戯、全てひっくるめて、愛おしく輝く青春だったのだと今にして思う。
大学のサークル選びを無限に広がるパラレルワールドに置き換え、タイムループものと『CUBE』のパロディ経由で、他者とコミットすることの素晴らしさを説いて見せた堂々たる青春讃歌。泥酔や性欲、羞恥心、孤独の実験的、前衛的な表現を、そのままエンタメに昇華させる湯浅監督の作家性も刻印。シナリオ構成もよく、3人の女性(?)に翻弄される#6-8、散りばめられた伏線が回収し、小津という悪友の人物像が反転し、友情へと収れんしていく最終2話は、エンディングの切れ味含めて特によくできている。個人的には劇場映画含めて湯浅政明の最高傑作と疑わないシリーズ。
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