平田一

マブラヴ オルタネイティヴ 第2期の平田一のレビュー・感想・評価

4.9
“――それは、語られなかった他なる結末。

とてもちいさな、

とてもおおきな、

とてもたいせつな、

あいとゆうきのおとぎばなし――”


2003年に発売のアダルトゲームメーカー「âge(アージュ)」が生み出した恋愛アドベンチャーゲーム「マブラヴ」。あの「進撃の巨人」にも影響を及ぼした「マブラヴ オルタネイティヴ」のTVアニメ化シーズン2。原作ゲーム解禁と同時に全世界を震撼させ、リタイア者を続出させたことでも大きな話題を呼んだ、最凶にして最強のパートがついに描かれる(ゲーム自体は未プレイですが、アートブックで把握済み)。監督は引き続いて西本由紀夫さんが担当。オープニングテーマ曲はJAM Projectと栗林みな実さんの「暁を撃て」。

遂に正規兵となった主人公・白銀武。これまで未来を変えるために費やしてきた苦労や覚悟が報われると思った矢先、彼はすべてを試される。

地球外起源種「BETA」と戦いその意味を、心身を再起不能にされかねない代償を――。

1期終了から1年間、ずっと待ってたシーズン2。監督がTwitterを一時離れる事態があったり、本当にここまで来るのに色々あったと思いますが、声を大にして言います。

“信じてホントに良かったぜ!!”

ボクはゲーム未プレイ勢でアニメのみの人間ですが、待った甲斐があったぜ!!って、言えるぐらいに最高です。1話の時点で物語の流麗さが際立ってたし、高性能ターボエンジン確保できたんか?ってほど、物語は1期の100倍熱くエンジン全開です。しかもそれが最終回まで保たれるって思うほど、やっぱ1期は覚悟の上のものだったんだと思いました。

しかも何がスゴイって、個人的マブラヴアニメベスト回が一気に何度も到来しまくったんですよ! まどマギの言葉を借りれば、

“きせきもまほうもあるんだね”

アニメオタクやって来てマジでホント良かったです。

ここから激推しの回を紹介していきます。

第14話「XM3」
冗談抜きのトラウマ回。早朝から全身が恐怖に染まった回でした。この話はオープニングがバッサリとカットされ、ガッツリ本編にリソースを注ぎまくってるお話です。本編は武たちがついにBETAと初遭遇、そして世界を震撼させたトラウマが描かれます。まず本編12分以降の緊張感がスゴイ。興奮剤が効きすぎて、錯乱状態に陥った武が単独行動でBETA相手に突撃する……。尋常ではない緊迫感、画面を越えてきそうなほどの迫力と、神木さんのお芝居も相まって、これまで見たマブラヴアニメでぶっちぎりにベストです。そして多くの脱落者を生み出したと噂されるゲーム発のトラウマ場面……朝から思考停止です。あまりにも唐突過ぎて、あまりにも呆気なくて、あまりにも残虐すぎて、無慈悲であるけど納得です。戦場に休息時間が与えられるわけもない。恩師がエールをくれたからって無事でいられる保証はない。戦場にこっちの都合が通用するわけがない。その姿勢を描いたことにちゃんと覚悟を感じました。アニメでこれだと原作ゲーム、どんだけ強烈なんだよ(一応アートブック内で内容は読んでいます)……。

第21話「希望の光」
「凄乃皇・弐型」による砲撃からもう涙腺崩壊ですし、あの瞬間、臼杵咲良が思ったことが尚更ね。1期1話の佐渡島戦を覚えている人なら感慨を避けられない内容だと思います。あの場面を見た瞬間、スタッフ陣を信じ続けて良かったって思いますし、よく頑張りましたよって思うぐらいに感謝です!

第22話「脱出」
こちらの推しは終盤の旅団規模の出現と「CODE 991」発生で激変する戦場です。何度見ても鳥肌が立ちまくりの非常事態、作曲家Evan Callさんのサントラのコンボなどが、BETAたちへの恐ろしさを見事に描写してました! 海岸線へ委員長と彩峰機がへ出た途端、海岸一帯を埋め尽くす旅団規模の恐ろしさが一瞬で迫って来たのが本当にヤバいです。しかもCODE 991発生のサイレンが鳴ったと同時に、伊隅大尉と柏木少尉(この人は23話「継承」でもホントね……)に迫りくるBETA軍。もうホント何度見てもこれらはホントにおっかないし、スタッフ陣の気合の入れように本当に感服です!

他にも最強コラボレーションが最高のオープニング、スーパー武ちゃんタイム、などなど見どころ満載です! 勿論もっと改善の余地があるのは否めません! ですがやっとマブラヴアニメで最高だと断言できるアニメにようやく出会えたのが本当に幸いです!!!

3期か劇場アニメーションで続きを描いてほしいですが、果たして実現できるのか? いずれにしても見守ります。

何せついに“クーデター”の先まで描けたわけですし!!!!

てか、これでアニメレビュー300本目到達でした(スゲエ)…
平田一

平田一