三樹夫

冥王計画ゼオライマーの三樹夫のレビュー・感想・評価

冥王計画ゼオライマー(1988年製作のアニメ)
3.7
アニメでも指折りの鬼畜主人公が特徴の、80年代に作られたロボものOVA。1話30分の全4話で監督は『イクサー1』や『ダンガイオー』の平野俊弘。
ストーリーは世界征服を企む秘密結社ハウドラゴンが攻めてきて、マサトとミクがマサキが八卦衆から強奪してきたゼオライマーで戦うというもの。主人公マサトは二重人格でゼオライマーを操縦しているとマサキの人格が出てきて鬼畜になる。諸悪の根源はマサキで、こいつが鬼畜の戯れみたいな感じで無茶苦茶やり出すので、マサキという鬼畜創造主に創造物たちが挑むみたいな神殺しの話になっている。
『ああ播磨灘』のように最強の主人公に敵役たちがどう挑むかという、敵役たちのドラマが主軸となり進行する、主人公がラスボスというパターンだ。マサキがスーパー鬼畜なので、八卦衆をトラウマが出て苦しむように設計してそれをいちいち踏みにじるという、観ていて八卦衆を応援する構図になっている。姉妹間の葛藤に対して「茶番は終わりだ」などマサキは発言も鬼畜で、挙句乗っているロボがチートロボという最強というか最凶の主人公。処刑タイムには「覚醒、ゼオライマー」が流れ、メイオーのポーズで瞬殺する。「チャージなどさせるものか」など鬼畜フレーズセンスに溢れる清々しいまでの鬼畜主人公だが、マサキは世界を征服してどうするつもりだったんだろう。

冷徹感漂うミステリアスな悪役という、塩沢兼人がTHE塩沢兼人みたいなキャラをやっている。他にも速水奨が『ダンバイン』の時みたいな仮面の男をやっているなど声優陣は結構豪華。
音楽は川村栄二で、THE川村栄二サウンドというBGMが流れる。ナレーターは政宗一成なので『仮面ライダーBLACK』感がする。
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