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バッド・バッチのshunのレビュー・感想・評価

バッド・バッチ(2021年製作のアニメ)
4.5
「バッド・バッチ」シーズン1全16話観終わった。

スター・ウォーズのエピソード2と3を描いた「クローン・ウォーズ」、その最終シーズンで登場したクローンフォース99、通称バッドバッチという部隊を主人公にエピソード3後のクローンと帝国支配を描いたアニメシリーズ

1話目の最初に「クローン・ウォーズ」のロゴが燃え落ち「バッドバッチ」のロゴが出現することから、スピンオフでありながらも続編として機能していることが分かります。

他のクローンたちとは違い実験室での"突然変異"で生まれたクローンフォース99たち。
身体能力や感覚が優れているハンター、凄腕スナイパーのクロスヘアー、頭脳明晰でテクノロジーにも精通するテク、筋肉の塊のようなレッカー、そしてドミノ分隊最後の生き残りのエコーで構成されています

ここに"オメガ"という少女が加わります。彼女はなんと他のクローンとは違い成長速度が普通の人間と変わらない、ジャンゴ・フェットの純粋な遺伝子から作られたクローンです。つまりボバ・フェットの女性版
彼女の追加が何をもたらすか観る前は不安でしたが上手く行ったように思います。一人少女が混じったことでそれまで戦うことしか知らなかった男たちに変化が訪れる。オメガもオメガでキーパーソンではありながらもキャラクターとして馴染んでいるし嫌みがないのでファンにもすぐに受け入れられたと思います

共和国の崩壊と銀河帝国誕生という今まであまり描かれてこなかった部分を"共和国の遺産"であるクローンの立場から描くというのには大きい意味がある
いつか"クローン"は言い伝えになりストームトルーパーにとって代わられることを観ている側は知っているからなおさらです

やっぱりデイヴ・フィローニですから他作品のキャラも多数登場
初っぱなからケイレブ・デュームが出たのには驚いた。まさかデパ・ピラパの処刑シーンが見られるとは。
その後もカット家族やフェネック、トレイスとラファ姉妹、などなどつい最近も見たばかりのメンツやほんとに久しぶりのキャラまで

そしてレックスの登場は嬉しい。予告で出てくるって分かってたけどそれでも嬉しい。なんだか「クローン・ウォーズ」最終話のアソーカと肩を並べて生き抜いたのを見た後だともう数段階上の人に思えてくる。これからもちょくちょく出てきてほしいなあ。アソーカの行方も気になるし

一番驚いたのはキャド・ベインの登場。あれは予想できない。かっこいいなあ、でも年を感じて少し悲しくなった
終盤にはグレガーも。ということはシーズン2ではウルフも、、?
あとはシンドゥーラ。随分ガッツリ数エピソード使ってライロスのその後を描いてました。「クローン・ウォーズ」や「反乱者」でも登場したチャムやゴビがまた出てきたのと、なんとなんとヘラとチョッパーも登場!まさかバッドバッチと関わりがあったとは

もちろん新キャラもいます。ライロスの一件で登場したキャプテン・ホーザーは最高ですね。ファンの中での人気凄いだろうし今後も楽しみ
あとはシド。スター・ウォーズ世界で初めての女性トランドシャーンじゃないかな。オメガとのやりとり好き
カミーノ人も何人か久々の登場。タン・ウィーはep2で演じた方がわざわざ10数年ぶりに帰ってきたらしい。そういえばパルパティーン役のイアン・マクダーミドもらしいですね

「クローン・ウォーズ」では無敵に見えたバッドバッチだけどこのシリーズで彼らも一人一人ただの兵士でしかなかったことが分かる。デイヴ・フィローニも彼らのことを「スーパーヒーローにはしたくない」と言っている。それまで共和国軍のもとでその能力を使ってきた彼らが今度は"生き延びる"ための戦いに身を投じる。
共和国や帝国への忠誠心、兄弟たちへの思いの間で葛藤する姿が上手に描かれていた。

映像もほんと綺麗です。特に惑星ダロのクオリティがエグい。バッドバッチそれぞれのアーマーもかっこよくて見てるだけでも楽しいです

そして最後のあれ。もしかしてデイヴ・フィローニはep.7 8 9さえも救おうとしているのか?
他にクローン技術ってあれしかないよな、、

エピソードによって満足度に差はありましたがひとまずシーズン1完結ということで。
次シーズンでも他作品との接触やスター・ウォーズ世界の広がりを楽しみにしておきます
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