ーcoyolyー

アオアシのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

アオアシ(2022年製作のアニメ)
3.7
お嬢のようなキャラクターがリアリティないと散々言われてきたところに颯爽と現れた影山優佳さんのお陰でリアルにこういう人がいるとやっと分かってもらえたじゃないですか。私はそれが何より喜ばしいですね。男より戦術語れる女は影山優佳さんが初めてじゃないんですよ。でもそういう女はいないことにされたり軽んじられたり馬鹿にされたり疎まれたり何も挑発してないのに勝手に逆ギレされたりしてきました。競馬場やサッカースタジアムでどれだけ悔しい思いをしてどれだけ涙を流してきたことか。私だけじゃない、私や私のような沢山の女がそうやって裏で悔し涙を流してきましたよ。そしてやっと「男の影響?」などと言われずに済むところまでポジションを上げて確立できることができた。若い女の子というだけで他の属性ならしなくていい苦労や悔しさを、当然彼女だって本業アイドルだからそんなものは腐るほど味わってきてるだろうとは思うのだけど、少なくとも一つは減らすことができて私たちが「女オタ」ではなく普通の「オタ」扱いになりつつあることが本当に嬉しい。
『アオアシ』に出てくる戦術オタク女子(可愛い)や医学部目指す女子(可愛い)が普通に作品内に存在していることに私は感動してしまうんです。だっていたから。女子校特進コース育ちの私の周りには普通にそういう女子がいたから。でもそんなスーパーな存在は男社会の中ではいないことにされてしまっていた。戦術オタクや医学部目指す女子に「可愛い」という属性は付与されることはなかった。可愛い女が小賢しいのはノイズになってしまって可愛げがないから。
この作品、サッカーの知識が乏しい女子に説明する役割の人物が全員女子もしくは女性だったことが本当に画期的で。女子校育ちの私には当然だった光景がやっと力むことない描写の、普通の光景として世に放たれた。女が馬鹿にされない世界がサッカー題材のアニメで繰り広げられている。私やっとサッカーの世界で肯定されたようでちょっと涙ぐんでしまいましたね。

私はサッカー観てて何が一番楽しいかというと現場での野良コーチングがピシッとハマった時というある意味迷惑で厄介なオタなんですけど、迷惑ついでに2022年気持ち良かった瞬間ベスト3を何のニーズもないところで書き添えておきますと「逆サイ!」(開幕アウェイ清水戦)、「右!」(アウェイ川崎戦)、「青木に出して!」(アウェイ柏戦)になります。声出し席ではないので控えめに叫んだ直後にピタッとそこにボールが出ると周囲の男どもがちょっと黙って息を呑むんですよ。あれすげぇ気持ち良かったです。意外と周りの男ども雑な根性論に基づいた物言いしかしてなかったという。「青木に出して!」の瞬間とかどう見ても青木浮いてて狙い所のポジションにいたのに気づいてなかった。周囲のコンサドーレサポーターはなんで(以下略
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