もとまち

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編のもとまちのレビュー・感想・評価

4.4
時代劇アニメとして間違いなく至高の一作。リアリズム溢れる殺陣、セル画末期の美しすぎる映像、見事な「十字傷」の原作改変など素晴らしいポイントを挙げれば枚挙に暇がないが、個人的に気に入っているのは三話「宵里山」である。あそこで剣心と巴の静かな生活を丹念に描写したことにこそ、本作が存在する意味はあったと思っている。二人の暮らしを浅くしか触れなかった原作とでは、後半の展開へ伸し掛る重みが大きく違うからだ。淡々と紡がれる生活の中で、次第に二人が惹かれ合っていく様を言葉少なに描ききったこのエピソードは、アニメのドラマ回においても屈指の出来だと何度見ても思わされる。
一個だけ気に食わないのは、四話に登場するお頭に本作のテーマをベラベラ喋らせすぎているところ。脚本家の主張が急に前へ出まくっているところがすげえダサい。
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