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ホワット・イフ...? シーズン2のMASHのレビュー・感想・評価

ホワット・イフ...? シーズン2(2023年製作のアニメ)
2.5
未だに「ホワット」という発音に慣れない。というのは置いといて、シーズン2に突入。シーズン1は完璧ではないにしろ、アニメーションや「What If…?」のコンセプトなど新鮮な楽しさがあった。今回のシーズン2はというと、個人的にはガッカリだったかも。楽しめないわけではないが、僕が求めるこのシリーズの面白さとは違う方向に行ってしまった印象。

まず『What If…?』を活かしてないエピソードが多いのが気になる。Ep.3なんか特に顕著で、これが「もしも」かどうかなんてどうでもいいような内容。また、それ以降もセットアップは良いものの、それを上手く活かしきれていない要素が多い。Ep.4では内容が単なるポッドレースだったり、Ep.8では舞台が1602年である必要性が全くなかったり。

またEp.6で登場したカホーリ。MCU初のオリジナルキャラというアイデア自体は良いと思うし、キャラとしても悪くない。が、このシリーズで初登場させたのはどうなのだろうか。既存のキャラを使い、違う運命のもとで物語を描くというこのシリーズのコンセプトが活かされていない。最終話でいきなり登場したときは「??」となってしまった。

あと一番気になったのはキャプテン・カーターをの存在。彼女のキャラが悪いわけではない。むしろ今回で掘り下げられている部分も。だが、明らかに一人だけ猛プッシュを受けているのが引っ掛かる。そこまで面白いキャラかと言えば正直そこまでだし、このシリーズ特有の色んなキャラを好きに動かせる"自由さ"が、彼女が絡むことで制限が出ている。Ep.8など特に。

シーズン1でも感じていたことだが、無理に締めくくりを作る必要もない気がする。少なくとも一話完結なのかそうじゃないのかハッキリした方がいい。特に今回はキャプテン・カーターとカホーリのみが目立っているため余計に気になった。あとネタバレは避けるが、最終話のヴィランには心底ガッカリ。シーズン1と繋げるなら、そこでやったことを無にしないで欲しい。

お気に入りのエピソードがないわけではない。Ep.2やEp.7は僕が感じる「What If…?」の面白さが詰まっていたし、ストーリー単体としても駆け足だがクオリティが高かった。だが、シーズン全体を見ると弱いエピソードが多いことや最終話に無理に繋げようとする違和感のある展開、そして全く笑えないコメディ要素。特にコメディ要素に関してはMCU全体を通してどうにかして欲しいレベルにまで落ちてきている。

僕が感じるこのシリーズの面白さは、シーズン2の最終話のようなしっちゃかめっちゃかさではない。ヒーローやヴィランの違う運命を描くという部分に意外性や楽しさ、哀愁すらも感じられる部分に魅力を感じるのだ。シーズン3が作られたなら観てしまうのだろうが、期待値は低くして観ることになるだろう。
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