ブタブタ

四畳半タイムマシンブルースのブタブタのレビュー・感想・評価

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作のアニメ)
4.0

『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半タイムマシンブルース』で一応三部作か?
京都を舞台に大学生達の永遠に続く様なモラトリアムのSFでもありコメディでもあり。
リメイク版『うる星やつら』が実に残念な感じだったんだけど森見登美彦先生は『うる星やつら』特に押井守監督『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』から多大なる影響を受けてるらしく、高橋留美子的世界、日常をゆる~く侵食する異界をギャグ・コメディで描いているのがこの《京都シリーズ》だと思う。
無限ループ、タイムトラベル、平行世界、宇宙崩壊やら幻想SF的な世界を舞台にあくまでも話しの中心は実にミニマムな大学生達によるドタバタ劇で、名無しの主人公「私」によるやたら早口の衒学的な一人語りは西尾維新やメフィスト賞系新本格探偵小説の趣きもあってもし《京都シリーズ》第4弾?をやるなら今度は「私」を探偵役にして幽水荘で時空を超えた殺人事件でもやって欲しい所(ワトスン役は「小津」)
なんと言っても「主人公「私」の盟友にして天敵」の「小津(吉野裕行)」が最高。
『夜は短し歩けよ乙女』では古本の神?である子供だったり「私」に付き纏い自在に姿を変え人間なのか妖怪なのか定かでなく『四畳半タイムマシンブルース』では何だかちょっとBL的な描写もあるし。
特に第六話が『サマータイムマシン・ブルース』もまた『四畳半神話大系』のパラレルワールドかも知れない事を感じさせると同時に『四畳半タイムマシンブルース』の第一話にも繋がっていく永遠のループ感。
「成就した恋など語るに値しない」は名言。
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