夕方5時のチャイム

進撃の巨人 The Final Season Part 2の夕方5時のチャイムのネタバレレビュー・内容・結末

進撃の巨人 The Final Season Part 2(2022年製作のアニメ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半6話くらいは前シーズンに続いて陰謀論発表会開催してて微妙。
集団精神療法のようなシーンはなかなか良かった。
アニは可愛くて、両国の教官殿に感動した。
港での立体機動装置のアクションは良かった。

エレンについて
エレンが大陸全土に住む全人類殲滅を完遂した先にあるのは、どう考えても幸せな未来ではない。血で血を洗う恐怖政治の誕生、内紛による国家崩壊、エレンを崇めるイェーガー派とそれ以外の対立等々。
まずは壁外の巨人、次は海の向こうの人類。という風に、敵を殲滅するとまた敵が沸くのが世界の摂理。人類が人類である限り、現実世界と同様に、どこまで行っても世界から戦争は無くならない。
私は「敵同士が常に睨み合っているからこそ、平穏が存在し得る」という考えを持っているので、「エレンが敵の殲滅を完遂したことで、島に平和が訪れた」という風に、エレンの所業をあたかも成功体験のように歴史に刻むのは良くないのではと思った。それこそ、血で血を洗う恐怖政治の誕生になってしまう。

フロックについて
フロックは憎まれ役としては評価できるが、悪役としての魅力はない。
その行動力は褒めるべきかもしれない。ただ、悪魔と慕うエルヴィンやエレンの思想に同調し、それに縋るしか能がない。神や悪魔、そういった絶対的な存在であるとされる者に心酔し、疑わない。このような世界でそんな人達が生じるのはいたって自然であるが、そんなものは自分を捨てるという謂わば思考の放棄宣言である。
また、実際にやってることも「パラディ島のエルディア人のためだ」と言えば聞こえはいいが、究極的に言えばそれはフロックのやりたいことではない。どこまで行っても自分というものが無く、ユミルの言葉を借りるなら「いいことしようとしてる」に過ぎない。それは、自分のやりたいことのために多くを犠牲にしてきたエルヴィン、エレン等の「悪魔」とは似て非なるものである。

ガビについて
サシャを殺したクソ野郎なのは紛れもない事実である。しかし、地獄のような現実で様々な逆境をはねのけ、確実に成長している彼女はエレンに代わって主人公の風格を醸し出してる。今後の活躍が一番楽しみなキャラ。