人間対巨人という、短絡的な図式は最初のシーズンだけで、“巨人”と言う最終兵器を持つ者と持たざる者の戦いとなる。
最初は仲間であり、自分達を滅ぼす敵と闘っていたはずが、いつしか敵と味方の立場が変わりながら、ひたすら戦うことになる。
しかも、信じるものが変わりいくため、そして、そもそも主人公の立ち位置が変わるために、敵味方の定義も変わり、皆が運命と翻弄されながらも戦うと言う、なかなかに壮烈な展開。
ベースには人類の戦いの歴史、特にユダヤとナチスの構図が見え隠れするが、よくもこれだけ混み入ったストーリーを考えたもの。
前シーズンあたりから顔の暗い描き込みがホラーっぽい。
しかしアニメの動きやアングルカット割りはすごい完成度で、奥行きの演出が見事。
主人公たちの成長に合わせて陰影の深い表情になり、悲壮感すら漂う。
音楽のセンスもアニメとしては異色の出来。
滅びの美学爆発の予感漂う最終シーズを早く見たい。