悠

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)の悠のレビュー・感想・評価

4.9
ストーリーの構成力、キャラクターの個性や心理描写、アクションの迫力と躍動感どれをとっても間違いなく超一流の作品でした。特に伏線の巧妙さにおいては漫画やアニメの枠を超えて映画や小説等を含めても群を抜いていると思います。
本作の刊行当初はダークファンタジー系の作品がやっと世間一般に浸透し始めた時期でしたが、他の作品と十把一絡げにされて、ただグロいだけの作品と言われていたり、どこぞの評論家が教育への悪影響を説いていたりしていた記憶があります。そのように否定的な意見も多かった本作がここまでスペクタクルでメッセージ性の強い世界的な作品になると誰が予想したでしょうか。もはやダークファンタジーというよりも、人類の戦争の歴史そのものを描いた非常にリアルな作品だと思っています。
原作に続きアニメも本日10年の時を経てついに完結しました。賛否両論ある結末ですが、大衆に迎合する様なカタルシスのある結末よりも重く展望の見えない結末を採ったのは、歴史を繰り返す人間の愚かさというこの作品のテーマから最後までブレることがなく、さすがとしか言いようがありません。
悠