終尾の巨人の中でのバトルは本当にめざましいものがあり、これだけで長い物語のグランドフィナーレには十全だろう。
ただ最後の最期に来てまだ時間軸が行ったり来たりする構成はそこまで見やすくなく、複雑さを乗り越えて一致団結していく物語と構造の混乱は少し不釣り合いに思えた。
リンキッド・ホライズンの曲がダサいのでラストがしまらないのもカタルシスを阻害する。ここら辺はしがらみとか恩義とかいろいろあるだろうけど、作品が世界規模に認知されていく過程でより射程の広い音楽を意識してもよかったのではとないものねだり。
しかし、現実の世界が非道な虐殺を止められないこの状況下に、皮肉にも最後の進撃に抗する人々の姿が重なり、僅かなりとも切実なメッセージを発せたのではないか。原作からの改変も一部は納得いくものだった。
本当に、お疲れさまでした。