あき

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)のあきのレビュー・感想・評価

5.0
スコア5.0では収まらない。
圧倒的なまでの物語構成に常に驚かされ続けた。
これを超える作品はこの世界にいくつあるのか、そう考えてしまう程に作品の世界に没頭した。

本作は初めは人類vs巨人という様相を呈しているが、後半に向かうにつれ様々な問題が浮き彫りになり、人種・政治・思想が入り乱れ始める。そこで合わせて時間も捻れ始めるため、初めのようにただ目の前の敵をひたすら倒すという安直な物語ではなくなる。

しかし、本作の魅力はこの難解さにこそあると考える。主人公の思想バイアスがかかりがちな読者に対し、本当に主人公が正しいのか、正義はどこにあるのかと常に考えさせる機会を投げかけ続け、思考放棄で観ることを決して許さない。
そのため、自分の価値観を確立して物語に触れない限り、途中で物語についていけず脱落することになるだろう。本作を楽しむには常に考え続ける姿勢、そして確固とした価値観を持っておく必要がある。
あき

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