中世の日本史に関して、中学校の授業仕込みの知識しかない僕の脳内では、平氏＝何だかよく分からんが悪いヤツら、源氏（義経）＝カッコイイ。という認識でした。そんな僕が今では平家の家系図を見るだけで泣けてしまいます。
平氏とは縁もゆかりも無い少女・びわから見た平家の栄華と零落が描かれる。壇ノ浦で滅亡の時を迎える彼らの成り行きを既に知っているからこそ、びわと平氏たちの過ごす何気ない一時がほんとうに心苦しい。自分の中で教科書の活字でしかなかった人物たちが、悩み、笑い、成長する人間ひとりひとりとして生きている。未来が見えても何も出来ないと嘆くびわ、定められた運命に彼女が出来ることは。一人生き残った徳子に出来ることは。
びわの語り継ぐ物語は、曲となり、書となり、アニメとなり、今を生きる僕たちに届いています。
