寄せ集めっぽく整合性があるとは思えない世界観と擬似家族というテーマが噛み合い、不思議な統一感を生み出している。
作中では平和が理想とされながら、実際に物語の原動力となるのはスパイや暗殺者といった血生臭いものへのロマンであり、また、「普通の家族でなくていい」と現代的な価値観を打ち出しつつも、最終的にはやはり「温かい家庭」というイメージへの憧れを拠り所としている。そういう捻れに矛盾を感じつつも、そこにエンタメの倫理があるような気がした。
物語や演出自体はあまり楽しめなかった。毎回都合よく嫌味ったらしい悪人が現れて主人公たちに返り討ちにされる展開は安っぽい。