きりん

少女革命ウテナのきりんのネタバレレビュー・内容・結末

少女革命ウテナ(1997年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2023.7.14
YouTubeで期間限定でアニメ配信してたので37話〜39話を数年振りに改めて視聴。

『ねぇ姫宮、僕たち10年後もこうして一緒にお茶を飲みたいね』
要するにこれが全てだと思った

『俺もかつてはそうだった。
ひたむきさに価値があり、唯一それが運命を変えられると思っていた』

『姫宮のおかげで僕がどれだけ幸せだったか』

『君を助けるためにここまで来たんだ
だから君と僕が出会うこの世界を、恐れないで…』

最後の最後でアンシーがウテナを呼び捨てになったのは
王子様と姫として出会い過ごしたけど
今度は最初から友達として出会って始めよう
そのために私の方から出向いて会いに行くわという、鬱屈で閉じこもっていたアンシーの前向きな変化が感じられた
そこで流れるED曲神

ウテナが扉を開けた先に アンシーを見つけて
やっと会えたと涙ぐむウテナ
やっと会えた、っていう表現が自分の声が届く闇に濡れていないアンシーの心に会えたって感じに聞こえた

扉は、暁生も開けようとしていて
暁生は自分の望むものがなんでも、力が手に入ると言っていたけど
もしかして開けた人によって中身違うのかな
ウテナはアンシーを助けたいという一心で開けたから、その願いが1番強かったから、アンシーの心に出会えたのかもって。

そこでウテナが言った『この世界を恐れないで』って言葉が
君を大事にしたい、ずっと味方でいたい、その願いを諦めない
僕と君が出会う為にはこの世界がなくちゃ。
だから世界に絶望しないでっていう
未来で僕たち会えるから
今辛くても命をたったり光を見失わないでっていうことだね…
泣いた

しもべのように長年扱われたアンシー。なんの期待もなく人形のように生きていたアンシーが願いや心を取り戻したのだ
今度は私が友達に会いに行く、という意思と夢を持って。

王子でも姫でもなく恋愛でもなく、それらを凌駕して
同性の友達という存在が君に手を差し伸べ救ったのだという親友エンディング改めてすごく好き…

初めてOP聴いた時はこれはウテナの曲だって思ったけど最終話まで見たらアンシーにも当てはまるところがあると気づける歌詞で素敵。



(以下は過去に見た時の感想そのまま貼り付けただけ、長文)

まわるピングドラムもそうだったけど
少女革命ウテナもじわじわこう…視聴後しばらく経ってから良さとか深みを感じてきて、もっかい見たいな…って気持ちにさせる
多分考察できるから数日後に来るんだと思う

ウテナがステキすぎて人として刺激もらうわ…川上さんの声が合う合う…気さくで気取らず、かわいすぎず、でも女の子の声で、芯のある感じがいいよね

ウテナの人柄、立ち居振る舞いが好きで だからこの作品が良いなって思う要因として強い。
誰かを護れるようなひと=王子さま
に憧れて、いつも内面からそうあれるようにしてるところとか、それでいて女性としても髪とか体型とかもケアしてるんだろうなって感じも好き(柔軟してるし長髪も綺麗だから)
男になりたいわけじゃなくて、
かつて自分が王子さまに心を救われたから
今度は自分が誰かの心をすくうような王子さまになりたいって気持ちが伝わって好きだよ。
ウテナの考える王子様像が私も好きだ。
王子さまって高級な衣服や家柄や見た目だけじゃなくて、悲しみを救って華を与えてくれるようなひとなんだな
私もウテナみたいになりたーい(∩´////`∩)ってなんとなく思うだけで やる気がでる。ウテナの心持ちが好き。自分の中で貫き通すことは一貫できるし、素直で、優しくてまっすぐなところが好きだお…
問題に巻き込まれても自分の意見を持ちながら向き合って進んでいける強さもあるしね

って最初はウテナの魅力だけで観てたんだけど、
それだけで見ているとだんだんこの作品の真相にギョッとしたり混乱させられて
少女革命ウテナという作品として広く観るようになって、やっと物語の流れとか それぞれの人物の思惑とかがつかめてきた。

当時幼い頃見てた時はこわさが強くて
今見てもちょっとその気持ちがわかる(演出とか)
そもそもあの学園に不穏な空気が流れてる
あの生徒会関連の登場人物の中で、ウテナが1番 画策も思惑もなく、ただ純粋だったと思う。
いろんな考察を読んで やーっと背景の事情もつかめて、
ウテナが女性であった理由や必要性は強く感じた。
ウテナでなければきっとアンシーは救えなかったと思うから。女の子の友達のね
私は1話から序盤のウテナの作画が大好きで(目も綺麗だし、バランスも良いしキリッとしてて爽やか美人で好き)
最後の方の作画は女らしさが強く出始めてそこに違和感あったりウテナの恋愛らへんの話には驚いたけど
でもウテナの目線で考えてみれば、その時その時で悩みながらもよく進んだよ…最初の恋なんて何もわからないよな…って気持ちになれるから
ほんとすごいこのアニメ。
そうやって作画で表情からもウテナの経験の変化をえがいてるんだなって。
最終的には初めての男に斬りかかる(デュエリストなので)わけで、あ、最初だろうがなんだろうがそんな感じでいいんだ( ´ ꒳ ` )って私までさっぱりしたww
女は強いぜ…次にあった時は剣向けるんだもん (向けられてもいるけど)

冬芽いいやつだと思ったらそうでもないし(西園寺に対して)ほんとここは歪んだやつばっかだな!?
ウテナぐらいだよ安心して見てられるの😭

幼い頃はアンシーがなんだか怖かったんだけど、今ならなんでそういう風になったかも想像できる。
魔女となってこのサイクル(デュエリストのトップを選んで、世界の果てまで来て)をもう相当の年月繰り返してる
100年とかもっと。兄妹、歳をとらないままで。
だからアンシーも最初こそ自分の心や意思があっただろうけど、今度こそはと希望もあったろうけど、毎回ふりだしに戻るで
期待もしなくなって、誰かに思い入れを残すこともなくなって、花嫁として事務的に接することが普通になっていったんだろうなって…
ウテナのことも最初は信じてなかった理由はそれなんだろう
最後にやっと、あなたは私をそこまでして思ってくれてたんだ…本気だったんだ…本当の友人として…ってやっと届いたんだと思う。
なけるね(´;ω;`)
そこがウテナが少女でなくてはならない理由だったと思うよ
百合とかも捉えようのあるジャンルだけど
私は純粋に友達が必要だったんだと思うよ
オープニングの主題歌歌詞もよくできてる。
あれはウテナの歌詞だと思ってたけどアンシーでもあるのかもしれない
アンシーって花嫁として男は周りにいるけど女の子で親しい人ははいないような描写だったものね
しかもまた生徒会の連中が誰1人、人として扱わないじゃん?おこだよ(-_-)
でもウテナが怒ったところで アンシーは心を閉ざして麻痺しちゃってるから、いいんですよ別に…(冷め)っていうのを通り越して、何そんなことで熱くなってるんですか?(煽り)って感じなんだ(´;ω;`)
アンシーに心を取り戻したのはウテナだし、それが少女革命だったんだというお話。
世界を180度革命することはできなかったけれど、アンシーが変わったことはとても大きいよ
あのループから出るってことだから。
アンシーの中でかつてのディオスを1番信頼してたから今の闇ディオスに面影重ねてきたけど、ウテナのが信頼度逆転したってことだよなぁ

ウテナは性別として、そして闇ディオスに決闘で勝てなかったため 王子さまにはなれなかったけど
私がウテナから受け取った王子さま像が、上記で書いたように
『誰かの心を救い、華を与えてくれるような存在』だとしたら
ウテナは王子さまになれてるんだよなぁ!

ウテナは恋というか男女の付き合いも経験して 相手がロクデモナイのもあって迷ったり間違えたりしたけど
友達を守ることを結果的には選んで自分の出来る限りを尽くしたのを見て、男で失敗しようがまた美しく強く立ち上がってやり直せるんだなあって気持ちと友達は大事だよなぁって思った…

オープニングでウテナが目を少し細めて笑うの、慈しみがあって大好き
きりん

きりん