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リコリス・リコイルのhasseのレビュー・感想・評価

リコリス・リコイル(2022年製作のアニメ)
4.0
千束(ちさと)とたきなのシスターフッドぶりが心地よい。オープニングの最後のケツ蹴り合うシーンは何故か癖になり毎回観ていた。水族館回のたきなの渾身の「さかなー!」可愛い。二人で水槽を前に語らうショットは『バッド・ルーテナント』的なエモさ。
千束役の安済知佳さんの寄り(熱中)と引き(冷め)のメリハリきいた演技が上手い。

二人の男親(ミカとよしさん)と娘(千束)の「擬似家族」というセンシティブな構図をアニメ作品に持ち込み、それを議論のテーマではなくあくまでキャラクター同士の関係性、個人の苦悩の問題として描いているのがとても素晴らしかった。

ただし、真島のキャラクター・物語が残念ながら魅力的に感じられない。彼が表だって行動する10,11話くらいから面白さが失速した感じがあった。「平和ボケした日本をぶっ壊してぇ」という紋切り型のテロリストで、標榜する破壊と革新のセリフは既視感が否めず、薄っぺらく感じてしまう。
リコリコのメンバーは、一人一人が悩みや孤独を抱えている。それを時にさらけ出す、時に忘れてどんちゃん騒ぎをするというカフェリコリコの描写が魅力的だった。そこのキャラクターの人間関係、垣間見える内面、楽しい会話などなど。それに比べて真島の物語には人間性が見えてこない。リコリコのシーンに慣れすぎた身にとっては真島の物語はもはやどうでもいいのである。

二期やるなら、最後の方にフィーチャーされたリコリスの男子版が絡むのかな? まだまだいくらでも話は作れそうなので期待。
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