センカン

ガールズ&パンツァーのセンカンのレビュー・感想・評価

ガールズ&パンツァー(2012年製作のアニメ)
4.9
アニメ技術の粋を尽くした最高のエンターテイメント

女子高生が戦車で闘う部活モノ、一応茶道とか花道とかに並べて戦車道という括りですが笑。
似たジャンルのストパンとか艦コレが擬似的に兵器を盛り込むのに対して、まんま本物の戦車で描かれる。なので各戦車の特徴や戦術をとてもリアルに再現されてストーリーに組み込める。その上で、アニメだからこそ女子高生だからこそ生まれる、新し過ぎる戦術発想が組み込まれてて、さらに面白くなる。まずはこれが面白さの骨子だと考えています。

これに輪をかけて、西住殿の過去や大洗女子の廃校を主軸に置いたストーリー性で目標や乗り越える課題が明確になり、全体の話に一本筋が通る。たったの1クールで濃厚過ぎる内容を綺麗に纏められてるのはコレがあってこそ。

またこの作品で外せないのが小ネタ。だれが言ったか「ガルパンは良いぞぉ〜」は、ガルパンの小ネタを全て理解できる人が存在しないから安易に語るのが難しい、もう面倒臭いから良いぞって言っとけばいいや。って諦めの気持ちで生まれたなんて説がありますね。
先述したリアルな戦車の描写は勿論のこと、個々のキャラ設定やセリフにネタが散りばめられてて、回収が追いつかない。ジャンルが多岐に渡るからそもそも小ネタなのかも分からずスルーする事多数。各方面のオタクがネタ出しまくって、入れれるモノ全部詰め込んだんじゃないかと想像しちゃいますね。

そしていずもがなの音と映像の品質、戦車のCG映えがまず圧倒的。そして効果音、キャタピラとかエンジン音まで拘ってて細か過ぎる。BGMも各国のチームに合わせた選定とか雰囲気作りも良い。極め付けはOPの「DreamRiser」、3桁は余裕で聞いてるハマった一曲です。

全般的な事書くだけでも凄い行数になっちゃいましたが、も少しピントを絞っても語っていきたい。どの話にも見所がありますが、挙げるならやはり最終戦。
ここまで怒涛のスピード感で描いて来た上での「無言」が与える緊張感。コレには驚かされました。初見は息を呑むどころか呼吸が出来ないほどに引き込まれてしまいました。
何を使って客を喜ばせるのか、どうやって驚かせるのか、どこまでも真剣に向き合ってるからこそ、エンターテイメントとしての価値が極限まで高められているのだと感じています。



懐かしや、豊洲の映画館で一話の先行上映を観て、なんだこのトンデモないアニメは!となった思い出。
会場に戦車の模型とかあって本気で作ってるのが凄く伝わって、期待値上げた所からの戦車視点始まり。あそこで始める辺りセンスの良さというか、コレを魅せたいんだという気概が伝わりますよね。
でも正直言うなら、あの一話観てここまでデカく成長するアニメになるなんて予想できなかった。ニッチな需要から人気を集める美少女✖️ミリタリーの歴史の1ページで終わると想像してました。
一話で出オチにしない(学園艦は出オチに近かったけど笑)、最期まで減速なくストーリーを盛り上げて行くスタッフ陣の努力があってこそ、これだけの作品に仕上がったのだと思い至ります。感動をありがとう。

点数内訳
世界観:5
ストーリー:5
キャラ:4.5
音:5
映像:5
スコア:4.9

年末持て余した時間で遂にレビューかけました。ホントに好きな作品は体力使っちゃうなぁ。他の高スコア組も早く書きたい。
センカン

センカン