ウシュアイア

ドラゴンボールのウシュアイアのレビュー・感想・評価

ドラゴンボール(1986年製作のアニメ)
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世界的名作漫画『ドラゴンボール』のうち、謎の武術少年・孫悟空の少年時代のギャグ要素ありの冒険活劇譚。

基本的には、ドラゴンボール集めと天下一武道会が交互に繰り返され、最後にピッコロ大魔王が世界を恐怖に陥れ、少年悟空は死闘の末にピッコロ大魔王を倒すが、その後青年になった悟空が天下一武道会に現れたピッコロ大魔王の生まれ変わりを倒して完結、のはずだったところでシリアスバトル漫画への路線変更のため、一度区切りを入れて『Z』へ引き継がれた。

野性児悟空の天然ネタ、ウーロン・亀仙人のスケベネタ、ピラフ一味をはじめとするちょっと間抜けな悪党ネタなど様式美すら感じる鉄板ネタで緻密に冒険活劇に組み込んだ構成はやはりジャンルは違えども世界的名作。ドラゴンボールの最初の願いには度肝を抜かれた。

「かめはめ波」や「どどん波」って冷静に考えれば明らかにダジャレだったはずなのに、野沢雅子さんの声が吹き込まれて今や五輪アスリートたちもSNSに上げるクールジャパンのキメポーズ。伝説はここから始まっている。ちなみに「どどん波」は初出は桃白白(CV大塚周夫!)。

亀仙人に入門して間もないころのエピソードをよく見ると、大切なことはすべて亀仙人が教えていたことが分かる。そして、「武道は勝つためにはげむのではない、おのれに負けないためじゃ」をモットーに、指導のスタンスは、基礎体力重視、自主性を重んじる、そして天下一武道会では自分も修行して弟子の前に立ちはだかる。

基礎重視の部分では、亀仙流の「かめはめ波」という自身の気を高めて放出するというオーソドックスでありながらも、自身の力量さえ伸ばせばいくらでも威力をもつ技にも体現されており、戦闘力が指数関数的に上がっていく『Z』において強力な決め技であり続けた。

また、この自主性を重んじ、自分で考えさせるスタンスは、敵対する鶴仙流の舞空術や太陽拳といった技を教わらずとも研究して自分のものにしてしまったり、亀仙流プロパーのクリリンの「気円斬」や栽培マンを一気に全滅させた気功波などの技の開発においてもいかんなく発揮されることになる。

『Z』でどんなに強くなっても亀仙人が師匠たるゆえんがよくわかる。

アニメオリジナルエピソードはやや冗長で微妙なものもあるが、気分転換にちょこちょこ観ていくのも悪くない。
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