どすこいザウルス

蟲師のどすこいザウルスのレビュー・感想・評価

蟲師(2005年製作のアニメ)
5.0
俺が『好きな作品5選』というテーマでプレゼンを作るなら絶対に入れる作品。

まず世界観に惹かれる。生命の源そのものに近い、小さな蟲というものがいる。主人公のギンコは蟲師という蟲の取り扱い、生態に精通した職業で世界を旅している。時には蟲が人に害を与えることも、あるいは人が蟲を悪用することもある。ギンコはその都度、自分の信念のもとに行動する。蟲師として忘れてはならないのは蟲には意思はないということだ。人にとって不条理に感じても蟲はただ蟲であること、生まれながらの役割を果たしているに過ぎない。それが自然から離れ、社会で暮らす人間とは相入れないこともある。決してそこに善悪はない。そんな「自然の摂理」と一面的な視点は危ういことを教えてくれる作品なのかも知れない。

各話完結で見やすく、監督の原作へのリスペクトから、まんま漫画を映像化したような出来栄えで、作画が安定している。幻想的なシーンも多く、地味という印象もない。人に勧めたいと心から思える作品だと思う。